2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390290
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
中島 利博 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 教授 (90260752)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
山崎 聡士 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 講師 (30367388)
八木下 尚子 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 助手 (40367389)
|
Keywords | シノビオリン / 関節リウマチ / アポトーシス / ストレス / 小胞体 / リウマチ疾患モデル / プロモーター / シグナルネットワーク |
Research Abstract |
関節リウマチの病因機序の解明および根治的治療法の開発を目的とした、関節リウマチ滑膜細胞に強発現している分子群の系統的な解析を通じて、我々が同定したシノビオリンが、小胞体(ER)ストレス誘導性アポトーシスへの抗アポトーシス作用により、滑膜細胞の過増殖、ひいては関節症の発症・進展を制御していることを証明した(Genes Dev 2003 17:2436-49)。これをもとに、小胞体ストレスにおける過剰な応答が関節症を引き起こすという、疾患モデルを提唱し、(1)ヒトの関節リウマチにも当てはまる疾患モデルであるのか?(2)関節リウマチにおける小胞体ストレス源は何であるのか?(3)本シグナル経路の制御は関節リウマチ制圧に繋がるのか?(4)免疫異常に対するシノビオリンの関与。(5)シノビオリンを標的とした治療戦略。といった点の解明を試みている。 これまでの研究実績として、(1)リウマチ滑膜細胞が小胞体ストレス誘導剤によるアポトーシスに極めて耐性であり、しかもその耐性機能の一端をシノビオリンが担っていること、すなわち上記疾患モデルがリウマチ滑膜細胞にも当てはまることが証明された。(2)関節リウマチ組織における小胞体ストレス源の探索を目的として、小胞体ストレス反応配列を含むシノビオリンプロモーターの遺伝子改変マウスの作成が完了した。今後、このマウスおよびこれから単離された細胞を用いて、ストレス因子あるいはストレス誘導病態を解析する。(3)シノビオリンを中心とした網羅的な関連蛋白質解析よって、シノビオリンを巡って、未知のシグナルネットワーク経路のいくつかの候補が同定されている。今後、これらの確証を得るための確認実験を行っていく。このシグナルネットワーク解析によって、今後二年間で(4)免疫機能特におけるシノビオリン機能解析、あるいは(5)シノビオリンを標的とした新たなリウマチ治療標的分子の発見へと展開させていく。
|
Research Products
(5 results)