2005 Fiscal Year Annual Research Report
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16390290
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Research Institution | St. Marianna University School of Medicine |
Principal Investigator |
中島 利博 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 教授 (90260752)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
八木下 尚子 聖マリアンナ医科大学, 難病治療研究センター, 講師 (40367389)
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Keywords | 関節リウマチ / 滑膜細胞 / シノビオリン / Ets因子 / 小胞体 / アポトーシス / プロモーター / 発現制御 |
Research Abstract |
われわれは、代表的自己免疫疾患である関節リウマチ(RA)の病因機序の解明、および根治的治療法の開発を目指し、RA滑膜細胞の生物学的特性を明らかにすることを主要テーマとして研究を行っている。これまでに、RA滑膜細胞に強発現している分子群を分子・細胞・個体レベルで系統的に解析し、その中の一つであるシノビオリンが、小胞体(ER)ストレスによって誘導されるアポトーシスに対する抗アポトーシス作用を介して、滑膜細胞の過増殖、すなわち関節症の発症・重篤化を制御していることを遺伝子改変マウスで証明することに成功した(Genes Dev 2003 17 : 2436-49)。さらにこの成果をもとに、RAとはシノビオリンを介したERストレスに対する過剰な応答により引き起こされるという疾患モデルを提唱した。 本研究では、この疾患モデルの妥当性を検証することを主目的とし、最終的にシノビオリンを標的としたRA治療の戦略の構築を目指している。これまでに作製したシノビオリン遺伝子プロモーター領域にβ-ガラクトシダーゼを融合させた遺伝子の過剰発現マウスを用いて、シノビオリンの発現制御を明らかにすることを試みた。その結果、下記に示す成果を得ることに成功した(Mol Cell Biol 2005)。 (1)シノビオリンの転写活性化にはプロモーター上のEBS(Ets binding site)がコアエレメントとなる。 (2)EBSにはGABPα/β転写複合体が結合し、シノビオリンの転写活性化を担っている。 (3)EBSデコイ核酸によりRA滑膜細胞増殖が制御される。 これらの知見を生かし、ERストレスによるシノビオリン発現誘導機構を解明し、ストレス源を同定することでRA新規治療標的の発見へと発展させていく予定である。
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Research Products
(6 results)