2005 Fiscal Year Annual Research Report
Alport症候群の骨髄幹細胞による細胞遺伝子治療法の検討
Project/Area Number |
16390296
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
内山 聖 新潟大学, 医歯学系, 教授 (80108050)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
里方 一郎 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70170800)
伊東 達雄 新潟大学, 医歯学系, 助手 (40345533)
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Keywords | Alport症候群 / Col4a4ノックアウトマウス / 骨髄幹細胞移植 / 遺伝子治療 / トランスジェニックマウス |
Research Abstract |
1)IV型コラーゲン鎖を産生・分泌するトランスジェニックマウスを用いた骨髄幹細胞移植の検討 IV型コラーゲンα3,4,5鎖を強制発現するトランスジェニックマウスを作成した。トランスジェニックマウスに導入した遺伝子は2種類あり、1つは、Col4a4のfull lengthのcDNAをCAG promoterにつなぎ、発現部位が明らかになるようにLacZ遺伝子を組み込んだ人工遺伝子で、もう1つは、Col4a3とCol4a5のfull lengthのcDNAをそれぞれCAG promoterにつないだ人工遺伝子である。本トランスジェニックマウスは、表現形に明らかな異常を認めず、また、このマウスから得られた骨髄幹細胞は、恒久的な発現が期待でき、細胞に遺伝子導入をする場合と比べ、培養期間も短期間になり分化する危険性も少ないことから、Col4a4ノックアウトマウスに対する幹細胞移植の効果判定に用いた。このIV型コラーゲン鎖を産生・分泌する骨髄細胞を4週齢Col4a4ノックアウトマウスに放射線照射後に移植した。移植された骨髄幹細胞が、腎糸球体に運ばれてmesangium細胞あるいは内皮細胞に分化した際、IV型コラーゲン鎖が産生・分泌されるかを検討した。 8週齢で解剖し、腎臓の切片を用いて、IV型コラーゲンα3,4,5鎖それぞれについて抗体染色を行ったが、腎糸球体基底膜(GBM)領域には、明らかなα3,4,5鎖の局在を認めなかった。 2)研究の総括 糸球体上皮細胞以外で作られたIV型コラーゲンα3,4,5の3量体は、GBMでのIV型コラーゲンのネットワーク形成に用いられない可能性がある。しかしながら、全体に糸球体構成細胞に分化した細胞の寄与率は低く、主として、糸球体構成細胞への分化に関与している間葉系幹細胞の割合を増やして移植することで、寄与率が高まり、GBMでのIV型コラーゲンのネットワーク形成が認められるかも検討する予定である。
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