2006 Fiscal Year Annual Research Report
難治性小児白血病におけるアポトーシス耐性機序の解明と克服を目指した治療法の確立
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16390297
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Research Institution | University of Yamanashi |
Principal Investigator |
中澤 眞平 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 教授 (90090034)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
杉田 完爾 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助教授 (60138055)
犬飼 岳史 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助手 (30293450)
合井 久美子 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 助手 (70324192)
赤羽 弘資 山梨大学, 大学院医学工学総合研究部, 医学研究員 (90377531)
本名 浩子 山梨大学, 医学部附属病院, 医員 (50377537)
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Keywords | 難治性白血病 / アポトーシス / LMO2遺伝子 / 17;19転座 / E2A-HLF |
Research Abstract |
LMO2は造血前駆細胞に必須の転写調節因子であり、7;11や11;14転座型のT細胞性白血病では、転座の結果LMO2が過剰発現されている。また、先天性免疫不全症SCIDに対するcommonγ鎖の遺伝子治療において、レトロ・ウイルスがLMO2遺伝子の上流域に挿入された結果としてLMO2遺伝子が過剰発現してT細胞性白血病を発症したことが報告されている。しかし、B前駆細胞型白血病におけるLMO2の過剰発現の意義につてはこれまで検討されていない。最近、造血前駆細胞でのLMO2遺伝子発現の調節において、プロモーター上のPAR因子結合配列の重要性が報告された。小児難治性B前駆細胞型急性リンパ性白血病(ALL)で認められる17;19転座に由来するE2A-HLFは、PAR因子の1つであるHLFのbZIPを有していることから、E2A-HLFがPAR因子結合配列に結合してLMO2の発現を誘導する可能性を検討した結果、17;19転座型ALLでは他のB前駆細胞型ALLに比べてLMO2が過剰に発現されていることを明らかにした。さらに、B前駆細胞型ALL細胞株へのE2A-HLFの遺伝子によってLMO2の発現が誘導され、その発現誘導にはE2A-HLFの転写活性化およびDNA結合ドメインが必須であり、LMO2遺伝子のプロモーター上にあるPAR因子結合配列にE2A-HLFが結合することを確認した。一方、17;19転座型ALLにおけるLMO2過剰発現の細胞生物学的な意義を明らかにするために、17;19転座型ALL細胞株にレンチウイルス・ベクターによってLMO2のsiRNAを導入したところ、急速なアポトーシスの誘導を観察した。現在、その機序の解析を進めている。
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Research Products
(3 results)