2004 Fiscal Year Annual Research Report
広汎性発達障害の疾患感受性遺伝子解明のための多施設共同研究
Project/Area Number |
16390320
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
佐々木 司 東京大学, 保健センター, 助教授 (50235256)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加藤 進昌 東京大学, 医学系研究科, 教授 (10106213)
難波 栄二 鳥取大学, 生命機能研究支援センター, 教授 (40237631)
松本 英夫 東海大学, 医学部, 助教授 (90199886)
山本 賢司 北里大学, 医学部, 講師 (10287071)
石島 路子 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (70359602)
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Keywords | 自閉症 / 遺伝子 / 複雑疾患 / 多因子遺伝 / 広汎性発達障害 / 神経線維症腫 / 染色体7番長腕 / 染色体15番長腕 |
Research Abstract |
自閉症やアスペルガー症候群など広汎性発達障害(PDD)には複数の遺伝子からなる遺伝的要因が極めて強く作用するが、わが国ではこれらの遺伝子解明への取り組みはこれまで非常に少なかった。本研究は、わが国では数少ないPDDの分子遺伝研究機関がチームを組み、地域療養施設と連携して関連遺伝子を解明することを目的に開始した。同時に、PDDの疫学と遺伝子研究について当事者ご家族に正しい認識を頂き、今後の研究の発展基盤を築くことにも努力している。H16年度は、これまでの活動経験をもとに、各地域で講演会とリクルート活動を進め、予想外に多くの方々から理解とご支持をいただいている。H16年度は約60家族の方々から血液試料の提供を頂き、現在約250例の罹患者の方のDNA試料が利用可能である。十分な統計学的検討を可能とするため、さらにリクルートを続けている。遺伝子解析は、7q,15qなどの候補染色体領域の神経発達関連遺伝子と高頻度合併疾患の遺伝子を中心に、各遺伝子で複数のSNPを用いて相関解析(case-controlおよびTDT)を行った。7q領域ではRELN、NRCAM、FOXP2、WNT2、PTPRZ1、LAMB1&4、ST7等を、15q領域では15q11-13のmaternal expression domain (UBE3A, ATP10Aを含む)とGABR-B3等のSNPについて解析した。高頻度合併疾患ではneurofibromatosis-1(NF1), TSC1&2, FMR1遺伝子についてSNPとmicrosatellite(FMR1の三塩基繰り返し配列の正確な長さを含む)について解析した。遺伝子の解析では、7q領域の複数の遺伝子で相関を示唆する結果が得られており、現在さらに詳しく解析中である。またNF1でも一部の多型との相関が認められている。
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Research Products
(2 results)