2004 Fiscal Year Annual Research Report
分子標的治療の放射線治療への応用のための放射線感受性制御に関する基礎的研究
Project/Area Number |
16390334
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
中野 隆史 群馬大学, 医学系研究科, 教授 (20211427)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長谷川 正俊 群馬大学, 医学系研究科, 助教授 (50251111)
秋元 哲夫 群馬大学, 医学部, 講師 (10261851)
桜井 英幸 群馬大学, 医学系研究科, 講師 (50235222)
鈴木 義行 群馬大学, 医学系研究科, 助手 (60334116)
石川 仁 放射線医学総合研究所, 研究員 (70344918)
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Keywords | Cervical Cancer / 低酸素 / Radiation / Prognosis / HIF1α / p53 |
Research Abstract |
(1)臨床癌やヌードマウス移植ヒト腫瘍の細胞周期遺伝子や癌遺伝子の発現や遺伝子変異と放射線感受性の関連に関する実験 1.臨床癌組織と臨床データを研究材料として予後に関連する分子標的因子の解析実験 子宮癌、肺癌などの癌組織を用いて,c-erbB2,p53,p21,c-myc,bax,bcl2,Mn-SODの蛋白レベルの発現と放射線感受性の関連を、細胞周期速度、分裂指数、Ki67蛋白発現細胞の指数、転移関連蛋白発現の程度との相関を検討した。また、各の蛋白レベルの発現と局所浸潤能や遠隔転移能について、病理組織像や臨床データと比較検討し、放射線感受性や遠隔転移に関連する分子標的因子を分析した。 (2)低酸素細胞における放射線感受性低下と癌の悪性化の関連に関する実験 1.1996年から2000年までに放射線医学総合研究所で重粒子線治療が行われた子宮頸がん患者50例の内、腫瘍内の酸素分圧が測定された45例の腫瘍組織酸素濃度と局所制御の関連を明らかにした。重粒子線治療前、及び1週間の時点での酸素分圧の高・低と局所制御率や予後の間に有意差がない。X線治療患者の場合には、低酸素状態の腫瘍は明らかに放射線抵抗性であったのと全く異なっていた。HIMACの炭素ビームのOERは約2程度と考えられているが、臨床的に低酸素状態の腫瘍にも有効なことが初めて明らかにされた。 2.放射線単独で治療を施行したIIIB期子宮頸癌について、HIF-1が予後に影響することについて報告した。治療前の生検材料を用いて、p53,Bax,Bcl-2およびHIF-1αについて免疫染色した結果、HIF-1α陽性群の予後は陰性群に比較して、有意に無再発生存および無遠隔転移生存が不良であった。この結果はInt J Radiat Oncol Biol Physに報告した。 3.化学放射線治療を施行した食道癌患者の治療前の組織標本についてHIF-1,p53およびp21の免疫組織学的手法を用いて化学放射線療法の効果予測ができるかについて検討した結果、HIF-1陰性群のCR率は44.4%と陰性群に比較して有意に良好であった。治療前にHIF-1αを検討することで治療効果予測ができる可能性を示した。この結果はInt J Cancerに報告した。
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Research Products
(13 results)