2004 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストンアセチル化と放射線感受性とのクロストロークの分子機構解析
Project/Area Number |
16390340
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
晴山 雅人 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10173098)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 耕一 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10235153)
小井戸 一光 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90153460)
安達 正晃 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (70240926)
|
Keywords | ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤 / アポトーシス / 放射線感受性 |
Research Abstract |
癌治療において放射線治療は極めて重要な治療法として用いられているが、胃癌や大腸癌などの腺癌では放射線低感受性が低く有効性に制限されている。ヒストン脱アセチル化酵素阻害剤(HDAC inhibitor)はヒストンのアセチル化過剰を誘発し、アポトーシスと関連する遺伝子を活性化する。一方、クロマチン構造を変化させることが示唆されている。このことはHDAC inhibitorが放射線感受性を高めアポトーシスを生じやすくすることを期待させる。放射線低感受性癌である胃癌・大腸癌細胞殊に対して、HDAC inhibitorを放射線照射前に処置することによって、細胞死を増加することができるか否か、そして、この増感動果の機序を検討した。3種類のHDAC inhibitorsであるFK228、MS275、CBHAを用い、新たな放射線増強剤となるか否かを検討した。放射線とよく併用される5-FUには、MKN45細胞において放射線増強効果は認められなかった.この点からはHDAC inhibitorはより優れた放射線増強剤として期待された。HDAC inhibitorにより放射線感受性を高めるメカニズムはまだ十分解明されていないが、HDAC inhibitorがヒストンを過アセチル化状態にし、ある遺伝子の転写を活性化、発現を亢進することがメカニズムに重要だと思われる。3つのHDAC inhibitorによりBimが増加し、放射線との併用によりさらに増加した。これまでに、放射線によりJNKが持続的に活性化し、それによりBimがリン酸化されproapoptosisの活性を来たすことが報告されていることからBimの活性化が併用効果のメカニズムにある程度貢献していると思われる。
|
Research Products
(5 results)