2006 Fiscal Year Annual Research Report
ヒストンアセチル化と放射線感受性とのクロストークの分子機構解析
Project/Area Number |
16390340
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Research Institution | Sapporo Medical University |
Principal Investigator |
晴山 雅人 札幌医科大学, 医学部, 教授 (10173098)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂田 耕一 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (10235153)
小井戸 一光 札幌医科大学, 医学部, 講師 (90153460)
安達 正晃 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (70240926)
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Keywords | アポトーシス / 放射線 / DNA障害 / DNA修復 / ヒストンアセチル化 / ヒストンリン酸化 |
Research Abstract |
1.ヒストンアセチル化が及ぼす正常リンパ球におけるDNA損傷時のアポトーシスの関連性 申請者らは、ヒストンアセチル化過剰により放射線照射後のアポトーシスが増強されることを既に明らかにしているが、その機序は不明な点が多かった。本研究では、アセチル化亢進により放射線照射後のDNA障害(DSB)が増強することを明らかにした。これにより放射線増強効果《アポトーシス誘導》が発揮されるものと思われた(Apoptosis, 2006)。ヒトのリンパ球を含めた正常細胞への影響を考慮し、リンパ球への放射線照射後の変異原性への影響を詳細に調べた結果、ヒストンアセチル化亢進によって、2重鎖切断の増加、と核型異常の増加が生じることが判明し、癌治療応用の際に、十分配慮されるべき問題点を示した(晴山)。 2.ヒストンアセチル化が及ぼすアポトーシス関連蛋白の役割 ヒストンの過剰アセチル化によって、誘導される蛋白質の同定とそれによって生じる様々な生物学的現象との関連性を調べた。すなわち、HDAC阻害剤FK228またはCBHA添加後にpro-apoptotic BH3-only蛋白(BimやBmf)が誘導され、それが阻害剤自体によるアポトーシス誘導能に極めて重要であること、またさらに放射線照射後のアポトーシス増強効果にも重要であることを証明した(Cell Death Diff.2006 ; Int J Radiat Oncol Biol Phys.2006)(坂田、安達)。 3.ヒストンアセチル化が及ぼすDNA損傷時のアレイ解析 各試料からRNAを分離し、cDNAプローブを作製し、DNAアレイにより、修復遺伝子発現を主とする発現プロファイリングを行っており、アセチル化に伴って変化する、いくつかの候補者が得られた。さらに解析を進めて機能との関連性を明らかしつつある(小井戸)。
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Research Products
(6 results)