2007 Fiscal Year Annual Research Report
チロシンおよびコリン誘導体によるpost FDGのPET癌診断の研究
Project/Area Number |
16390349
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Research Institution | International Medical Center of Japan |
Principal Investigator |
窪田 和雄 Research Institute, International Medical Center of Japan, 室長 (40161674)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩田 錬 東北大学, サイクロトロンラジオアイソトープセンター, 教授 (60143038)
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Keywords | ポジトロン断層 / 腫瘍診断 / アミノ酸輸送 / 11Cメチオニン / 自動合成装置 / FDG |
Research Abstract |
昨年までの研究で11C-0-メチルチロシンの初期臨床研究が施行されたが、本年はこれと対比するために、11Cメチオニンの新たな自動合成装置を開発した。11Cヨウ化メチル自動合成装置を、新たに開発・製作された11Cメチオニン・ミニチュア合成装置に接続し、トリフルオロメタンスルホン酸銀を充填したカラムで11Cメチルトリフレートを生成する。これをL-ホモシステインチオラクトンと反応させることにより、加熱を要せず迅速に11Cメチオニンを合成することが出来た。反応液中の不純物、反応液の溶媒などを使い捨てのカラムで除去し、滅菌フィルターを通し、高純度の11Cメチオニン注射液が得られた。システム全体をパソコンで制御し、高精度の自動合成装置が試作された。6回の合成試験の平均の放射化学純度は98%と極めて良好であり、倫理委員会の承認を得て、臨床研究が開始された。6回の合成試験の平均の放射化学純度は98%と極めて良好であり、倫理委員会の承認を得て、臨床研究が開始された。 頭頚部癌の再発診断では、放射線治療後の炎症反応への集積がFDGと比べて、メチオニンでは明らかに低く、治療後の炎症反応と再発の鑑別診断が容易になった。 肺癌・乳癌などの脳転移に対するガンマナイフ治療後の再発診断が実施されれた。18例中11例で再発が疑われ、その大半で、臨床経過や他画像との比較でも再発が確認された。 肺癌の放射線治療前後にメチオニンPETが施行された2例では、治療前の腫瘍への高い集積が治療後低下し、炎症反応の修飾はわずかであった。 また、右房内への進展がFDG-PETで疑われたが、FDGの心筋への高い生理的な集積のために評価が困難であった症例では、メチオニンPETにより心筋への集積に妨害されず、正しい病巣診断が可能になった。これは、今後の新たなメチオニンの臨床応用を開発する鍵になる所見であった。 6回の合成試験の平均の放射化学純度は98%と極めて良好であり、倫理委員会の承認を得て、臨床研究が開始された。
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Research Products
(5 results)