2005 Fiscal Year Annual Research Report
中枢神経作用薬の効果を評価するためのバイオマーカーとしてのPET測定法の開発
Project/Area Number |
16390350
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Research Institution | Foundation for Biomedical Research and Innovation |
Principal Investigator |
千田 道雄 (財)先端医療振興財団, 先端医療センター研究所, 副所長 (00216558)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 攝 (財)先端医療振興財団, 先端医療センター研究所分子イメージング研究グループ, 主任研究員 (40344402)
冨永 英之 (財)先端医療振興財団, 先端医療センター研究所分子イメージング研究グループ, 研究員 (00393348)
前田 潔 神戸大学, 大学院・医学系研究科・精神神経科学, 教授 (80116251)
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Keywords | PET / 再現性 / 動態解析 / 統計画像 / FDG / 脳糖代謝 |
Research Abstract |
PETを用いて医薬品の薬理作用や薬効をヒトで評価するために必要な要素技術を確立させるため、以下の項目について検討を行った。 院内製剤として製造するPET用放射性薬剤を臨床研究に用いる場合は、品質管理が各施設に任されており、学会等のガイドラインもある。しかし、未承認薬の効果を測定するPET臨床薬理試験に用いて結果を規制当局に提出する場合にどのようなレベルの品質管理が必要かは、わが国はもちろん外国でも規制当局による明確なガイドラインがないことがわかった。そこで先端医療センターにおける基準を定めることにし、現在臨床使用しているFDG,C-11-doxepin,F-18-FLTなどの品質管理基準の作成に着手した。 PETデータの再現性について、脳疾患のない人や脳変性疾患の患者を対象に、2週間以内に脳FDG-PET検査を2回行った結果、大脳皮質のFDG集積の変動はSUV値で8.0-9.5%、全脳値でノーマライズすれば4.1-6.5%であった。薬物治療の効果や病変の進行を評価するためには、測定方法の標準化と再現性の確立が必要であると考えられた。 脳PET画像解析法として、いわゆる3D-SSPによる統計画像解析を行う場合には、正常データベースとしてどのデータセットを用いるかによって結果がかなり変わること、とくに画像再構成時のフィルタによる雑音の違いが結果に影響することがわかった。 脳PETデータの動態解析に関して、施設によりまた画像処理コンピュータにより理論や計算方法が異なるため、最終的に得られる解析結果が変わってくる可能性がある。動態解析で常に問題となる入力関数の与え方について検討した結果。スプライン補間や指数関数近似など入力関数取り扱いの違いによって、脳糖代謝率の計算結果に最大10%以上の違いが発生することがわかった。
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Research Products
(6 results)