2005 Fiscal Year Annual Research Report
バージャー病の病因としての歯周病菌感染に関する総合的研究
Project/Area Number |
16390356
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
岩井 武尚 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (90111591)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
井上 芳徳 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 講師 (70280964)
石川 烈 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (10014151)
梅田 誠 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (90193937)
吉田 雅幸 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教授 (80282771)
中村 裕昭 埼玉医科大学, 医学部, 教授 (80073021)
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Keywords | バージャー病 / 喫煙 / 歯周病菌 / 血小板 / 感染性動脈炎 / 逍遙性静脈炎 / HLA / 口腔内ケアー |
Research Abstract |
原因不明の難病とされてきたバージャー病について、世界ではじめて病原菌DNAを発見し発表した(2005.7)。歯周病菌が14個のバージャー病閉塞動脈片の13個から検出できたこと、喫煙は歯周病を悪化させること、たばこ物質は血管を攣縮し内皮を荒廃させること、歯周病菌は血小板を活性化することなどからバージャー病の原因菌としての歯周病菌の可能性が強く示唆された。歯周病菌を持続静注したところラットの四肢動脈に血栓閉塞を認め、その部位の歯周病菌も陽性であり報告した(2005.11)。歯周はリンパ管が発達し、歯周病菌はリンパの流れにのって、数分の後には頸部を下降して静脈角から静脈血中に入る。血中に入った菌はどのようにして血管に到達するのであろうか。その問題を解くために、血小板と歯周病菌を直接ミックスする実験を行ったところ、歯周病菌は血小板を活性化し、血小板内に取り込まれることが判明した(11/25読売新聞)。同様の実験で好中球などでは貪食されるが血小板内では貪食されないことも判り、血小板は凝集し塊をつくることが観察された(投稿準備中)。凝集塊が手足の小動脈に塞栓し、さらに二次血栓を主幹動脈にのばしていくと考えられる。逍遙性静脈炎部位からも歯周病菌DNAは検出された。静脈血栓中では微小膿瘍をつくり好中球などの浸潤と合わせて感染の様相を呈する。この急性期の所見にはすでに数多くの報告がある。バージャー病では、よく動脈構造が保たれていることは知られており、主たる病変は血栓であるといえる。蛍光抗体法を用いて検討すると、歯周病菌のうちバージャー病で最も高率に発見された菌は、その多くが血栓内で内弾性板付近に、一部は弾性板を越えて存在していた。禁煙と口腔内ケアーのよい環境では、バージャー病は減少傾向であることから疫学的にも説明できる。現在歯周病患者とバージャー病患者では、HLA遺伝子タイプが一致するとのデータがありその検証を行っている。
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Research Products
(7 results)