2004 Fiscal Year Annual Research Report
がんの薬剤に対する耐性機構の解明-GISTのイマニチブに対する抵抗性獲得機構をモデルとして-
Project/Area Number |
16390363
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
西田 俊朗 大阪大学, 医学系研究科, 助教授 (40263264)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
内山 安男 大阪大学, 医学系研究科, 教授 (10049091)
廣田 誠一 兵庫医科大学, 病院・教授 (50218856)
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Keywords | 消化管間質腫瘍 / イマチニブ / 耐性 / 分子標的治療 / ターゲット遺伝子 / KIT / PDGFR |
Research Abstract |
がんの抗がん剤に対する耐性獲得の研究が種々の領域で行われており、がん細胞内への薬剤の取り込み抑制、薬剤排泄亢進や薬剤代謝亢進が報告されている。分子標的治療薬イマチニブの再発進行消化管間質腫瘍(GIST)への投与により劇的な縮小効果が得られても、後に再増殖し後期耐性を獲得したGISTが出現しつつある。分子標的治療ではターゲット分子が明確で、イマチニブの場合KITとPDGFRαタンパク質が標的分子であるが、薬剤抵抗性が生じた場合の耐性機構解明はターゲット分子を中心に行うことが実際的である。そこで、本研究では分子生物学的手法を用い耐性腫瘍でのKITとPDGFRα遺伝子変異の有無と場所(タイプ)を確認、KIT、PDGFRα下流の遺伝子の活性化や変異の存在を解析し、GISTの分子標的治療薬に対する耐性獲得機構を明らかにすることが目的である。 現在まで、10例のイマチニブ耐性GISTの手術乃至RFAによるアブレーション治療を行い、これ等の症例に関しては十分なIC下に、一部組織を頂き、(1)KIT、PDGFRαタンパク質の発現状態、(2)KIT、PDGFRαタンパク質下流のキナーゼの活性化、(3)KIT、PDGFRα遺伝子のイマチニブ耐性型の新規遺伝子変異の有無を検索している。 耐性GISTは全て投与前と同じくKITタンパク質を強発現し、KIT下流キナーゼ系の活性化を認めた。2例に初発時KIT遺伝子変異を認める同じKIT遺伝子アリル上のキナーゼ領域(エクソン17)に耐性型のpoint mutationを認めた。 その他の症例に関してはターゲット遺伝子には変化を認めなかった。 今後、ターゲット遺伝子変異の無い症例に関しては、別の機構でKIT、PDGFRαタンパク質の活性化が起こっていると考えられ、プロテオミックスの手法を用い、変化したタンパク質の同定を行う予定である。
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Research Products
(7 results)