2006 Fiscal Year Annual Research Report
消化器癌に対するヒト腫瘍RNA導入樹状細胞による癌免疫遺伝子治療の基礎研究
Project/Area Number |
16390367
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Research Institution | Wakayama Medical University |
Principal Investigator |
山上 裕機 和歌山県立医科大学, 医学部, 教授 (20191190)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
岩橋 誠 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (70244738)
谷 眞至 和歌山県立医科大学, 医学部, 講師 (60236677)
中村 公紀 和歌山県立医科大学, 医学部, 助手 (80364090)
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Keywords | DC / RNA / GM-CSF / 癌ワクチン |
Research Abstract |
本研究ではマウス大腸癌細胞より抽出したRNAとGM-CSF遺伝子のRNAを同時にDCに導入し,これを用いた癌ワクチン療法の有用性を担癌マウスモデルの系を用いて検討した.導入法はelectroporationを用いた 1.腫瘍RNAおよびGM-CSF RNA導入DC接種マウス脾細胞より誘導されたCTLの細胞傷害活性 DC/CT26 RNA接種マウスの脾細胞より誘導したCTLのCT26に対する細胞傷害活性はコントロールのRNA非導入DC接種群やDC/GFP RNA接種群に比較し有意に高かった(p<0.01).またGM-CSF RNAの同時導入によりこの傷害活性は明らかに増強された(p<0.05). 2.腫瘍RNAおよびGM-CSF RNA導入DC接種マウスにおける脾細胞からのIFNγ産生量の検討 RNA導入DC接種マウス脾細胞をresponder,非働化CT26をstimulatorとし,R:S=10:1の割合で48時間co-cultureした培養上清中に産生されるのIFN-γはDC/CT26 RNA+GM-CSF RNA群とDC/CT26 RNA群がコントロール群に比べ有意に高値を示したが,両群間には差は認めなかった. 3.マウスCT26皮下腫瘍モデルにおけるRNA導入DCの腫瘍増殖抑制効果の検討 DC/C T26 RNA+GM-CSF接種群とDC/CT26 RNA群は共にPBS群,DC群に比べて著しく高い腫瘍増殖抑制効果を認めた(p<0.005).この腫瘍増殖抑制効果はGM-CSF RNA同時導入群でより強力な傾向を示した. 4.DC/CT26 RNAワクチン後の残存腫瘍モデルにおけるRNA導入DCの腫瘍増殖抑制効果の検討 CT26皮下腫瘍を2ヶ所作製しDC/CT26 RNAを5日おきに計2回皮下接種し,8日後に遺残腫瘍を1ヶ所切除し,RNAを抽出しDCに導入(DC/CT26-R)これを皮下接種し,腫瘍増殖抑制効果を検討した.DC/CT26-R接種により遺残腫瘍に対する明らかな抗腫瘍効果が誘導され(p<0.05),この効果はGM-CSFmRNAを併用することで有意に増強した(p<0.05). 以上より腫瘍RNAおよびGM-CSF RNA同時導入DCを用いた癌ワクチン療法は獲得免疫を賦活し,著しい増殖抑制効果を認めることから,消化器癌に対する有用性が示唆された.今後臨床応用が期待される.
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Research Products
(6 results)