2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390368
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
古川 博之 北海道大学, 大学院・医学研究科, 寄附講座教員 (70292026)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
藤堂 省 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (60136463)
上出 利光 北海道大学, 遺伝子病制御研究所, 教授 (00160185)
嶋村 剛 北海道大学, 病院・助教授 (00333617)
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Keywords | 小腸移植 / CTLA4Ig / CD40Ig / 遺伝子治療 / ラット / アデノウイルス |
Research Abstract |
先ずマウスCTLA4Ig及びCD40Ig組込み5型アデノウイルス(AdCTLA4Ig及びAdCD40Ig)を作成した。同所性小腸移植モデルにおいてウイルスを移植直後にレシピエント陰茎静脈より単回投与(1×10^9pfu)し、血中CTLA4Ig濃度およびCD40Ig濃度を測定した(ELISA法)。移植後5〜10日でCTLA4IgおよびCD40Igが最高血中濃度(CTLA4Ig:300μg/ml以上、CD40Ig:1000μg/ml以上)に達した。これら血中濃度はピークに達した後漸減したが、数週間に渡り比較的高値に維持された。 続いてBNラット(RT1^n)からLEWラット(RT1^l)への同所性小腸移植モデルでAdCTLA4Ig及びAdCD40Igの効果を検討した。LacZ遺伝子組込みウイルス(AdLacZ)をコントロールベクターとして用いた。各々のベクターは移植直後にレシピエント陰茎静脈より1×10^9pfuを単回投与した。グラフトの生着期間は移植からレシピエント死亡までの期間とし、各群をn=6で作成した。無治療群およびAdLacZ投与群のグラフトは全例2週間以内に拒絶され、グラフト生着期間の中央値は共に10.5日であった。AdCTLA4Ig投与群では、6例中3例のグラフトが100日以上生着し、グラフト生着期間の中央値は>60.5日とAdLacZ投与群のものに比し有意に延長した。また、AdCD40Ig投与群のグラフト生着期間中央値は21.5日と軽度の延長に留まったが、6例中2例のグラフトが100日以上生着した。グラフトの病理組織学的検討で、コントロール群では移植後7日目に移植小腸内へ広範なリンパ球浸潤と絨毛の破壊像を認め、典型的な急性拒絶反応像を呈していたが、AdCTLA4Ig及びAdCD40Ig投与群では、グラフトのリンパ球浸潤は抑制され粘膜絨毛には保たれていた。
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