2005 Fiscal Year Annual Research Report
SEREX法により発見した新規癌抗原遺伝子を分子標的とした食道癌の診断と治療
Project/Area Number |
16390372
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
落合 武徳 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (80114255)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 英昭 千葉大学, 大学院・医学研究院, 講師 (20292691)
日和佐 隆樹 千葉大学, 大学院・医学研究院, 助教授 (30260251)
朝長 毅 千葉大学, 大学院医学研究院, 助教授 (80227644)
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Keywords | serex / TRIM21 / GLUT1 / myomegalin / 食道扁平上皮癌 / 腫瘍マーカー |
Research Abstract |
(1)SEREX法によって、新規癌抗原遺伝子を合計100種類以上クローニングした。これらのSEREX抗原のうち、血清抗体の存在の有無が独立した危険因子あるいは予後因子であるものを発見した。 (2)クローニングされた3種類のSEREX抗原について、ポリクローナル抗体を作成した。作成した抗体を用いて、切除した食道扁平上皮癌組織を免疫染色し、これらの抗原の癌細胞内での分布を検討した。 (3)これら3種類のSEREX抗原は、診断に有用であることが明らかとなった。これらは、TRIM21ならびにGLUT1である。いずれも、血清抗体陽性症例において、予後が不良な傾向を認めたが、統計学的有意差ではなかった。また、血清抗体の有無と臨床病理学的因子との相関関係は、認めなったが、既存の腫瘍マーカー高値の症例において、血清抗体陽性症例を多く認めた。 (4)他の1種類の抗原であるmyomegalinでは、遺伝子の変異が発癌や癌の個性に深く関与していることが示唆された。 (5)平成16年度に新たにクローングされた食道癌抗原について、バキュロウイルスを用いたタンパク精製を行った。精製した抗原タンパク・ペプチドをマイクロプレートに固相化した血清抗体検索のためのELISAキットを作成し、健常者50名の血清を用いて抗体価の基準値設定を行った。 (6)基準値を設定した抗原において、新規の食道癌患者50例から血清を採取して、陽性率を検討した。ウイエスタンブロットによる陽性率と作成したELISAキットによる陽性率とには、若干の差異を認めるが、いずれも食道癌患者において抗体価レベルが高い傾向を認めた。
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Research Products
(3 results)
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[Journal Article] An essential role of alternative splicing of c-myc suppressor FUSE-binding protein-interacting repressor in carcinogenesis.2006
Author(s)
Matsushita K, Tomonaga T, Shimada H, Shioya A, Higashi M, Matsubara H, Harigaya K, Nomura F, Libutti D, Levens D, Ochiai T.
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Journal Title
Cancer Res. 66(3)
Pages: 1409-1417
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[Journal Article] Proteomic analysis of primary esophageal squamous cell carcinoma reveals down regulation of a cell adhesion protein, periplakin.2006
Author(s)
Nishimori T, Tomonaga T, Matsushita K, Oh-Ishi M, Kodera Y, Maeda T, Nomura F, Matsubara H, Shimada H, Ochiai T.
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Journal Title
Proteomics 6(3)
Pages: 1011-1018
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