2004 Fiscal Year Annual Research Report
星細胞機能制御による新しい肝癌術後管理と再発予防の研究
Project/Area Number |
16390376
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
嶌原 康行 京都大学, 医学研究科, 助教授 (30196498)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
河田 則文 大阪市立大学, 医学研究科, 講師 (30271191)
波多野 悦朗 京都大学, 医学研究科, 助手 (80359801)
中村 肇 京都大学, 医学研究科, 助教授 (70303914)
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Keywords | 星細胞 / 術後肝障害 / N-アセチルシステイン / 酸化ストレス / チオレドキシン / ROCK / Rho kinase阻害剤 / 肝細胞癌 / chemoprevention |
Research Abstract |
I 臨床治験:星細胞機能制御は、これまでの動物実験でN-アセチルシステイン(NAC)の投与によることが適切と考え、臨床に使用可能なNACの製剤を選定した。NACは海外では錠剤としてエイズ、ARDSなどの種々の病態に使用されているが、本邦で利用可能なのは、去痰剤としてのネブライザー液及びアセトアミノフェン中毒による肝不全治療剤としてのみ使用されている内服液のみであり、後者を選定した(17.6%W/V)。高度進行肝細胞癌の肝切除術後に、肝不全徴候を示した2例に腸瘻より大量に注入(経腸投与)、または経口的投与(内服)により、意識改善、ビリルビン値の低下に効果があった。また、活動性慢性肝炎の肝細胞癌患者の術後に投与し、肝機能の改善傾向を認めた。本患者に対する肝癌再発抑制効果は経過観察中である。 II 動物実験:抗酸化作用のある生理活性物資、チオレドキシンの星細胞活性化抑制効果を、チオレドキシン強発現のTg mouseで調べた。チオアセトアミド肝硬変モデルでは、Tg mouseではWT mouseに比べて肝線維化の程度が軽微であることが明らかとなった。また、星細胞活性化抑制作用のあるROCK/Rho kinase阻害剤Y27632がエンドトキシンラットで、肝微小循環の改善を通じて肝機能保護効果を有することが判明した。
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Research Products
(5 results)