2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390381
|
Research Institution | KYUSHU UNIVERSITY |
Principal Investigator |
井上 裕 九州大学, 生体防御医学研究所, 助教授 (90203249)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三森 功士 九州大学, 生体防御医学研究所, 助手 (50322748)
田中 文明 九州大学, 大学病院, 助手 (30332836)
|
Keywords | 癌 / 多様性 / DNAマイクロアレイ / LMD / 胃癌 / 肝臓癌 / laser pressure cell transfer metho / ゲノムアレイ |
Research Abstract |
マイクロダイセクションによるmRNA抽出効率の改善に関する検討(三森) 凍結標本よりマイクロダイセクションによる遺伝子(DNA,RNA)の抽出と増幅(井上) 平成17年度は胃癌25例、肝臓癌30例、大腸癌30例、食道癌20例の凍結標本よりマイクロダイゼクションにより腫瘍(表層部、浸潤部)、間質に弁別した遺伝子(DNA,RNA)の抽出を行い質のよいRNA,DNAを抽出した。核酸の品質は総じて良好であった。 マイクロアレイ解析(田中・井上) (1)質のそろったRNAが得られた食道癌10例、大腸癌10例、肝臓癌では7例にマイクロアレイ解析を行った。多段階発癌を示すと考えられる部位を詳細にマイクロダイゼクション法により切り分け、その組織学的分化度に一致するRNAマイクロアレイプロファイリングを得ることが可能であった。一部の遺伝子については、その発現産物蛋白に対する抗体を用いて、発現解析を裏付けるデータを得た。 (2)さらにDNAレベルでの詳細な欠失・増幅プロフィルを得ることができた。 (3)本年度はRNA・DNAレベルを同一サンプルで評価することに成功し、全ゲノムマップ上において40000遺伝子の遺伝子発現パターンと遺伝子ゲノム変異を同時にマッピングすることができた。 (4)以上の研究をもとに癌の多様性に関与する様々な遺伝子あるいは遺伝子群を抽出することができた。このなかで遺伝子FABBP6,Trop2,Trim29等については論文で報告した。 今後は多様な分化度を示す癌のマイクロアレイ解析をDNA・RNAレベルで更に進展させる予定である。特にゲノムレベルの研究は本研究開始当時に比べ格段の技術的進展があり、発現解析実験とあわせて包括的・統合的に今後研究を進める予定である。
|
Research Products
(5 results)