2006 Fiscal Year Annual Research Report
体外循環中の送血方法が病的大動脈壁に与える影響の臨床的検討
Project/Area Number |
16390388
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
福田 幾夫 弘前大学, 医学部, 教授 (50344594)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
福井 康三 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (70199181)
皆川 正仁 弘前大学, 医学部附属病院, 助手 (50374830)
橋本 浩 弘前大学, 医学部附属病院, 講師 (00218421)
稲村 隆夫 弘前大学, 理工学部, 教授 (10143017)
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Keywords | 体外循環 / 心臓手術 / 脳塞栓 / 胸部大動脈瘤 / 弓部大動脈瘤 / 血流解析 / 噴流 / せん断応力 |
Research Abstract |
1.臨床例での検討 成人心臓手術患者を対象として,3種類の送血管、腋窩動脈送血、大腿動脈よりの逆行性送血について、経食道エコーおよび大動脈直達超音波検査により上行、弓部、下行大動脈各部位の血流動態を評価した。各種送血管からの血流評価では、それぞれの先端形状によって先端から数cm以内の大動脈内の血液流速が大きく異なること、分散型のカニューレ先端形状の違いにより、カニューレから噴出する血流によって形成される乱流のパターンが異なることが明らかとなった。分散型のカニューレでは、いずれのカニューレでも、上行大動脈基部および下行大動脈では血流速度は20cm/sec程度と、流速の減衰が十分得られていることが判明した。また、右腋窩動脈送血では、腕頭動脈から噴出する血流速度は平均219cm/secと高速であり、この噴流は弓部小弯側に向かって噴出されることが観察された。以上より、分散型カニューレによる上行大動脈送血では流速の減衰が急激であり、弓部大動脈壁に与える機械的損傷は少ないと考えられること、右腋窩動脈送血では腕頭動脈付近に大きなshear stressがかかり、また対側の弓部大動脈小弯側にも大きなshear stressがかかることが証明された。 2.数値計算による大動脈弓内の血流解析 3次元立体構築ソフトを使用して、単純化した弓部大動脈モデルを作成し、カニューレを挿入した大動脈弓内の流れについて三次元数値解析を行い,カニューレから噴出する液噴流の噴射方向が大動脈弓内の流れに及ぼす影響を調べた。end-hole cannulaにおいては、実体モデルで得られた結果と類似の結果を再現することが可能であった。また、弓部大動脈瘤患者CTから作成したモデルを用いて、大動脈弁口からの正常方向での血流のシミュレーションモデルを作成し、大動脈弓部にかかるshear stressおよび壁圧力を再現した。大動脈瘤の形成に関わる基礎的データを得ることができた。
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Research Products
(3 results)