2004 Fiscal Year Annual Research Report
ES細胞由来の心筋前駆細胞の虚血心への移植の有効性に関する研究
Project/Area Number |
16390394
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
米田 正始 京都大学, 医学研究科, 教授 (20303810)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
池田 義 京都大学, 医学研究科, 助教授 (40281092)
中畑 龍俊 京都大学, 医学研究科, 教授 (20110744)
松原 弘明 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (10239072)
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Keywords | Flk1 / ES細胞 / FACS / 細胞移植 / 急性心筋梗塞 / 陳旧性心筋梗塞 / 心筋再生 |
Research Abstract |
再生医療として期待されている細胞移植療法であるが、心臓移植に代わるほどの心筋再生効果を持つ実用的なドナー細胞は今だに報告されてはいない。ES細胞はその多分化能から心筋や血管への分化に関しても多くの報告がなされているがほとんどがin vitoroでの研究であって、意外な事に虚血心への移植報告はまだ少ない.VEGF receptorの一つであるFlk1は、ES細胞の中胚葉系前駆細胞のマーカーとして注目されており、その陽性細胞は血管新生においても心筋再生においても有望であると考えられる。本研究はこのFlk1陽性ES細胞を急性及び慢性虚血心に移植することにより、ドナー細胞としての可能性を探るものである。 1)Flk1陽性細胞の抽出 GFPマウス由来の未分化なES細胞をLIF無添加培地で培養し分化を誘導した。これらの細胞からFACSを用いたソーティングによりFlk1を発現した細胞を抽出した。 2)急性心筋梗塞モデルの作成 マウスを挿管、人工呼吸による開胸下の冠動脈結紮により一定の大きさの心筋梗塞を作成する手技を確立した。 3)上記1)で得られたFlk1陽性細胞を、2)で作成した同種同型のマウスの急性心筋梗塞モデルに移植した。心エコーによる評価ではFlk1陽性細胞移植群は、非移植群に対して左室の拡大は抑制され、収縮力は増大していた。また組織学的検討ではES細胞由来のGFP陽性細胞は主に心筋梗塞周辺部に生着し、トロポニンIをはじめとする心筋特異タンパクを発現していることが示された。 4)さらに慢性虚血心モデルでも同様にFlk1陽性細胞が生着し、心機能を改善させる可能性を探るために心筋梗塞作成4週後の移植モデルを確立した。マウスは2回の挿管、人工呼吸下の開胸手術に耐えなければならず、手技の確立にはさらに熟練を要した。結果については現在検討中である。
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Research Products
(2 results)