2006 Fiscal Year Annual Research Report
小児重症心不全治療を目指したヒト臍帯血由来間葉系幹細胞の心筋細胞への転換法の確立
Project/Area Number |
16390399
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
饗庭 了 慶應義塾大学, 医学部, 専任講師 (70184025)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
梅澤 明弘 国立成育医療センタ, 生殖医療研究部, 部長 (70213486)
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Keywords | 再生医学 / 心筋再生 / 幹細胞 / 臍帯血 / 網羅的遺伝子解析 / 間葉系細胞 / 不死化 / 寿命延長 |
Research Abstract |
小児重症心不全には、先天性心疾患に対する修復術後急性期の心筋不全、機能的単心室に対するFontan術後遠隔期の循環不全、特発性拡張性心筋症など種々の原因があるがすべて難治性であり、特に小児心移植の認められていない本邦では大きな臨床上の課題となっている。そこで、われわれは、小児重症心不全の治療として心筋細胞移植に注目した。本研究は、自己の臍帯血由来の間葉系幹細胞から誘導・分化させた心筋細胞を完全ヒト型培養し、安全かつ倫理的な問題のないドナー心筋細胞を得ることを目的としたものである。特に、Fontan術のような単心室型の姑息手術が唯一の治療法となるような複雑心奇形の場合、出生前に胎児診断されていることも多く、出世時に臍帯血を採取、保存しておくことが可能である。本年度は、特に下記の2点についての検討を重ね、細胞治療に用いうる細胞リソースとしての臍帯血、胎盤組織由来細胞の規格設定を行った。 1)胎盤および臍帯血に由来する幹細胞の規格化 胎盤および臍帯血に由来する細胞の網羅的発現遺伝子解析を行うとともに、マウスES細胞や他のヒト幹細胞との比較を行った。また、分化誘導させた骨髄由来のヒト間葉系幹細胞との比較を行い、これらの成果を併せて未分化状態ならびに分化状態に特徴的な発現遺伝子を整理した。 2)絨毛を用いた治療基盤の確立 ヒト絨毛細胞の分化能検定システムについては、培養系ならびに動物個体による解析を行った。心筋への組織形態解析、機能分子解析を行い、適切な分化制御法の確立をおこなった。
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Research Products
(6 results)