2004 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390404
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
川原 信隆 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (60214673)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
古屋 一英 東京大学, 医学部附属病院, 特任講師 (40281373)
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Keywords | 線条体 / 虚血性神経細胞死 / 神経再生 / 脳梗塞 / 神経前駆細胞 / 霊長類 |
Research Abstract |
本研究では、脳虚血により細胞死に陥った後の線条体および皮質において、成長因子投与によって内因性神経幹細胞を賦活化することで神経再生が得られるか否かを検討することを目的とした。当初計画では、中大脳動脈閉塞による脳梗塞モデルで評価する予定であったが、実際に研究を行う過程で、壊死が強く単純な成長因子投与では十分な再生を期待することが困難なことが判明した。そこで、同部位での選択的神経細胞死が生じる全脳虚血後の線条体損傷モデルを用いて研究を開始した。 ラットの9分間の一過性全脳虚血後には、線条体背外側部の神経細胞はほぼ完全に細胞死に陥ることを確認した。本モデルにて経時的に観察すると、4-6週後でも、内因性の神経再生は観察されなかった。一方、虚血後に損傷部に近い側脳室近傍での神経幹細胞の増殖をBrdUの投与にて追跡すると、虚血後7日目に最大の増殖応答が得られた。そこで、成長因子を虚血後2日目より7日間脳室内に持続投与する治療を行った。その結果、6週目においては、線条体において有意な神経細胞の再生を得ることができた。 一方、霊長類におけるモデルの作成も開始した。血管内カテーテルを用いて中大脳動脈起始部を閉塞して、経時的にMRIにて梗塞巣の観察を行った。現状では、3時間閉塞にて24時間後には十分な脳梗塞ができることを確認したが、虚血侵襲の大きさ、MRI時の麻酔の影響などもあり、3日以上の長期生存が得られていない。麻酔条件や閉塞時間などの因子を調節して、長期生存モデルを作成する必要がある。
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Research Products
(4 results)