2004 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ分子技術を応用した3次元形態を有する再生軟骨の作製法の開発
Project/Area Number |
16390431
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 寄付講座教員 (30344451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
位高 啓史 東京大学, 大学院・医学系研究科, 研究拠点特任教員
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (40282660)
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
小笠原 徹 東京大学, 医学部附属病院, 寄付講座教員 (20359623)
鄭 雄一 東京大学, 医学部附属病院, 寄付講座教員 (30345053)
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Keywords | ナノテクノロジー / 再生医療 / 軟骨細胞 / ハイドロゲル / 液性因子 / 三次元培養 / 増殖 / 分化 |
Research Abstract |
本研究では、必要な分子組成あるいは分子構造を人工的に合成し、高機能高分子化合物を創製するナノ分子技術を応用して、ヒト由来の軟骨細胞をin vitroで増殖・分化させる方法を確立し、十分な力学的強度を有し、特異的な3次元形態を呈する再生軟骨の作製を実現する事を目的として研究を行い、本年度、以下の成果を得た。 1.ナノ分子技術を応用した増殖培養方法の確立に関しては、軟骨細胞を効率的に培養するハイドロゲル包埋3次元増殖培養を検討し、同培養法が軟骨細胞の特性維持に有用であることを、分子生物学的、形態学的、生化学的に明らかにした。さらに、ハイドロゲルの素材として、アテロコラーゲン(AC)、アルジネート(AG)と、理想的な分子構造を人工的に合成した新規ペプチド(SP)を比較、検討した。その結果、SPを用いて培養した軟骨細胞では、β1 integrinなどを介した細胞外基質シグナルが認められるものの、ACに比べると増殖促進能が若干劣る傾向が見られた。増殖の促進因子に関しては、FGF-2、IGF-I、insulinなどの12種類の液性因子の組み合わせを統計学的に検討し、最適化を図ったところ、FGF-2およびinsulinの組み合わせが最も効率的に軟骨細胞の増殖を促進することが明らかとなった。 2.ナノ分子技術を応用した分化培養方法の確立に関しては、増殖培養により得た軟骨細胞を高密度培養し、基質産生を促させるためのハイドロゲルを検討した。AC、AGやSPを用いて、細胞・ハイドロゲル複合体を作製して長期培養し、軟骨細胞マーカー等の発現、蓄積を評価したところ、AC、AGと同様にSPでも、II型コラーゲンの発現やプロテオグリカンの基質産生・蓄積が見られ、SPの有用性が示唆された。
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Research Products
(8 results)