2006 Fiscal Year Annual Research Report
ナノ分子技術を応用した3次元形態を有する再生軟骨の作製法の開発
Project/Area Number |
16390431
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
星 和人 東京大学, 医学部附属病院, 寄付講座教員 (30344451)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
位高 啓史 東京大学, 大学院医学系研究科, 研究拠点特任教員 (60292926)
川口 浩 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (40282660)
中村 耕三 東京大学, 医学部附属病院, 教授 (60126133)
小笠原 徹 東京大学, 医学部附属病院, 寄付講座教員 (20359623)
鄭 雄一 東京大学, 医学部附属病院, 寄付講座教員 (30345053)
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Keywords | ナノテクノロジー / 再生医療 / 軟骨細胞 / ハイドロゲル / 液性因子 / 三次元培養 / 増殖 / 分化 |
Research Abstract |
必要な分子組成あるいは分子構造を人工的に合成し、高機能高分子化合物を創製するナノ分子技術を応用して、ヒト由来の軟骨細胞をin vitroで増殖・分化させる方法を確立し、十分な力学的強度を有し、特異的な3次元形態を呈する再生軟骨の作製を実現する事を目的として研究を行い、本年度、以下の成果を得た。 1.機能化ナノミセル構造体(人工ウイルス)による遺伝子導入法の開発 安全で高効率な軟骨分化誘導因子の遺伝子導入法の開発を行った。具体的には、PEG-PLLブロック共重合体にRGDなどのアミノ酸配列を付加し、機能化したナノミセル構造体(人工ウイルス)を作製した。機能化ナノミセル構造体を用いて培養細胞にレポーター遺伝子を導入し、遺伝子導入効率を評価した。 2.再生軟骨の機能化と性能評価 再生軟骨に対する3次元形態付与方法の開発については、PLLA、PLDA、PLCL、PLGAなどの生分解性ポリマーを用いた多孔体(8mm x 8mm x 3mm)に細胞・ハイドロゲル複合体を投与し、培養した。培養後、複合体の収縮率の測定、各種細細胞マーカーの遺伝子および蛋白発現評価、組織学的・微細形態学的解析、力学的強度計測をおこなった。その結果、PLGAに対し、細胞・ハイドロゲル複合体の浸透が良好で、得られた再生軟骨も軟骨特性に優れた所見を示した。さらに、in vivoでの再生軟骨組織内移植細胞の生存率、軟骨形質維持、増殖、基質産生などを評価するため、同様な方法で作製した再生軟骨をヌードマウスに移植した。移植後8週まで、経時的に再生軟骨を回収し、再生軟骨組織内の形状評価、各種細細胞マーカーの遺伝子および蛋白発現評価、組織学的・微細形態学的解析、力学的強度計測を行った。その結果、PLGAが、軟骨成熟後において約80%の収縮を示すものの、形状も白色滑沢で軟骨特性に優れた所見を示した。さらに、PLGA製足場素材を用いて、臨床上で使用する形態・サイズを用いて複合体を作製し、試作を行った。
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Research Products
(8 results)