2005 Fiscal Year Annual Research Report
前駆細胞からの軟骨分化誘導実験系での網羅的遺伝子発現解析と、その組織修復への応用
Project/Area Number |
16390436
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Research Institution | Shinshu University |
Principal Investigator |
脇谷 滋之 信州大学, 医学部附属病院, 講師 (70243243)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
清水 富永 信州大学, 医学部, 講師 (40283270)
高橋 淳 信州大学, 医学部附属病院, 助手 (60345741)
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Keywords | 軟骨分化 / 遺伝子発現 / 超音波遺伝子導入 |
Research Abstract |
我々はdiffusion chamber内においてラット胎仔由来の未分化間葉系細胞が骨形成因子(BMP)刺激により軟骨細胞に分化することを明らかにし、その軟骨分化過程における経時的遺伝子発現のプロファイルを行った。その中でいくつかの遺伝子を選び、遺伝子導入による軟骨分化促進効果の有無を調べる計画で、研究を進行中である。 遺伝子導入をする際に、ウイルスを使わず、比較的効率よく導入する方法として、超音波遺伝子導入法がある。今回我々は、家兎関節へのin vivoでの薬剤の導入を試み、その有用性を明らかにした。 (方法)滑膜細胞にmicrobubbleであるoptison存在下に超音波照射し、蛍光標識したメソトレキセート(MTX)が導入されることを確認した。家兎膝関節に関節炎を発症させ、MTXとoptisonを関節内注入後、超音波を照射した。コントロールとして超音波を照射しない群、および生理食塩水を注入した超音波照射・非照射群を設定した。検討項目は(1)12時間後の滑膜組織内のMTX濃度を測定(2)組織学的な滑膜細胞増殖の程度、軟骨変性の程度を比較(3)滑膜組織を採取しRT-PCRにて、IL-1βの発現を定量的に解析した。 (結果)in vitroでMTXは超音波照射によってoptison濃度依存的に導入が促進された。家兎関節炎の超音波照射群において滑膜細胞内のMTX濃度は有意に高く、滑膜増殖・滑膜組織内の炎症性サイトカインの発現量も抑制されていた。軟骨組織の変性の程度には差がなかった。 (結論)家兎関節炎モデルにおいて関節内MTX注入後超音波照射によって、細胞内へのMTXの導入が促進され抗炎症効果は増強された。この方法で遺伝子導入を行なう予定である。
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Research Products
(3 results)