2005 Fiscal Year Annual Research Report
ヒト骨転移腫瘍における特異的標的タンパク質の発見と新しい予防的治療戦略の構築
Project/Area Number |
16390445
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Research Institution | Kurume University |
Principal Investigator |
永田 見生 久留米大学, 医学部, 教授 (50140687)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐田 道夫 久留米大学, 医学部, 教授 (10162398)
津留 美智代 久留米大学, バイオ統計センター, 研究員 (90368887)
山口 岳彦 札幌医科大学, 医学部, 助教授 (80245125)
竹内 正弘 北里大学, 薬学部, 教授 (30317060)
佐藤 公昭 久留米大学, 医学部, 助教授 (90268912)
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Keywords | プロテオミクス / 骨転移 / バイオマーカー / 早期発見 / 予防 |
Research Abstract |
ヒト骨転移に特異的なタンパク質を発見し、PCT出願を行った。 次の目標課題である臨床医学的な構築とは、臨床検査レベルでの検証とこのタンパク質のin silico創薬の構築である。これにより、我々が目指したがん患者の骨転移の予防が達成される。前臨床試験として、肝臓がん46例のprospective Cohort Studiesを行った。方法として、患者へのインフオームド・コンセントを行い、肝臓がん原発巣の治療後、1ヶ月毎の外来受診にて、採血を行った。この結果、46例中、11例の患者からこのタンパク質が見つかり、その後6ヶ月から11ヶ月の間に骨シンチによる画像診断にて骨転移が確認された。また、残り34例の中で、10例の患者からこのタンパク質が検出されたが、現時点で骨シンチによる骨転移が確認されていないため、追跡調査を行っている。 また、in silico創薬においては、北里大学薬学部生体分子設計学・梅山秀明教授により、阻害剤のデザインを行っている。 【タンパク質の特徴】 (1)ヒトの骨転移に特異的である。 (2)血清中より検出可能である。 (3)骨シンチの画像診断よりも6ヶ月から11ヶ月前に検索可能である。 (4)骨転移予防薬の製剤の可能性がある。 以上の点から、ヒト骨転移バイオマーカーとしての有用性が高く、近い将来、骨転移の予防が可能になり、がん患者の骨転移による痛みが解除されれば、鎮痛剤等の投与が無くなり、延命効果が期待される。 次の「がんの撲滅の時代」まで、たとえ「がん宣告」を受けても、=「死」ではないという前段階まで来た。
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Research Products
(1 results)