2006 Fiscal Year Annual Research Report
間欠的荷重負荷による骨の構造強化作用における低リポ蛋白受容体シグナルの役割解明
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16390446
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Research Institution | University of Occupational and Environmental Health, Japan |
Principal Investigator |
中村 利孝 産業医科大学, 医学部, 教授 (50082235)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
酒井 昭典 産業医科大学, 医学部, 助教授 (90248576)
沖本 信和 産業医科大学, 医学部, 非常勤医師 (70330991)
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Keywords | 脂質 / LDL / 酸化LDL / 骨芽細胞 / 骨形成 / アポトーシス / p53 / オステオカルシン |
Research Abstract |
我々は、脂質代謝、特に血清低リボ蛋白(low-density lipoprotein :LDL)が骨代謝動態に与える影響、および脂質代謝におけるシグナルと骨形成系細胞のシグナルのクロストークについて調べてきた。今年度は、マウスを用いて高脂肪食が骨代謝動態にどのような作用を及ぼすかについて、標準食を摂取しているマウスと比較し検討した。また、apolipoprotein E(apoE)遺伝子を欠損させることによって高脂肪食の作用がどう修飾されるかを解析した。 マウスに高脂肪食を摂取させた群(high fat : HF群)では、標準食摂取群(standard : S群)と比較して、血清LDLと酸化LDLが高値であった。LDLと酸化LDLはマウス頭蓋冠細胞のアポトーシスを増加させた。HF群では、脛骨二次海綿骨における骨形成率(BFR/BS)と骨芽細胞面(Ob.S/BS)が低値であった。骨髄細胞から得たmRNAをreal-time RT-PCRで解析した結果、HF群はS群と比べて、オステオカルシンmRNAの発現に差はなく、I型コラーゲンmRNAの発現が亢進していた。また、HF群では、bax/bcl-2比が増加し、p53の発現が亢進し、骨芽細胞にアポトーシスを生じていた。骨髄細胞の培養結果では、HF群とS群で、アルカリフォスファターゼ陽性CFU-f/Total CFU-fに差がなかった。組織切片上アルカリフォスフアターゼ陽性細胞数は両群で差がなかった。これらの結果から、高脂肪食は、骨芽細胞形成と細胞死の両方を亢進させるが、骨芽細胞の分化そのものには影響を与えないことがわかった。apoE遺伝子は、高脂肪食による骨芽細胞のp53を介したアポトーシスの発生増加を抑制した。この結果、apoE遺伝子は、高脂肪食による脛骨二次海綿骨における骨形成率と骨芽細胞面の低下を防止した。
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Research Products
(2 results)