2004 Fiscal Year Annual Research Report
レチノイドのNO‐サイクリックGMP系賦活による実験的肺高血圧治療
Project/Area Number |
16390449
|
Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
丸山 一男 三重大学, 医学部, 教授 (20181828)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
三谷 義英 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (60273380)
丸山 淳子 三重大学, 医学部, 講師 (50263017)
天野 誉 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (90231993)
|
Keywords | 肺高血圧 / レチノイン酸 |
Research Abstract |
本研究の目的は、all-trans-retinotic acipd(atRA、レチノイン酸)の肺高血圧と肺高血圧血管病変の発生抑制作用を検討することである。平成16年度は、in vivoでレチノイン酸経口投与の肺高血圧発症抑制効果を肺動脈圧と肺血管病変から検討した。モノクロタリン肺高血圧モデルを用いた。モノクロタリンは60mg/kg皮下注を行った。モノクロタリン投与2日前から、all-trans-retinotic acid(atRA)(Sigma)30mg/kgを0.5%カルボキシメチルセルロース液(Vehicle)に懸濁し、小動物用胃ゾンデにより経口投与(1回/日)を開始した。正常ラット+Vehicle、正常ラット+レチノイン酸、肺高血圧ラット+Vehicle、肺高血圧ラット+レチノイン酸の4群に分けた。モノクロタリン投与後17日で、ペントバルビタール麻酔下に右外頚静脈から肺動脈に自作のイントロヂューサーを用いてシリコン製カテーテルを肺動脈に留置し、肺動脈カテーテル留置48時間後に完全覚醒下で肺動脈圧測定を行った。その結果、モノクロタリン投与により肺動脈圧は上昇した。atRAを投与しても、この肺動脈上昇を抑制することはできなかった。また、右心室を左心室より切離し、その重量比から右心室肥大を計測したところ、レチノイン酸投与群・非投与群で差はなかった。肺動脈圧測定後、肺動脈に一定圧でバリウムゼラチンを注入した後、経気管的に36cm水柱で10%ホルムアルデヒド灌流固定をおこない、肺組織切片を作成した。肺動脈圧に差が認められなかったが、肺血管病変の発生抑制がないとは即断できない。肺動脈圧は、肺血管の機能的収縮と器質的変化の影響を受けるからである。12年度には、肺血管の組織学的変化について詳細に検討する。
|
Research Products
(3 results)