2005 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアのエネルギー動態からみた脳虚血の治療法
Project/Area Number |
16390452
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
森田 潔 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40108171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 吉正 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (30294466)
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Keywords | ミトコンドリア / エネルギー動態 / 呼吸鎖 |
Research Abstract |
低酸素状態ではミトコンドリアのATP合成酵素は逆転し、ミトコンドリア膜電位を維持するためにATPを消費する。ATPへの親和性はミトコンドリアATP合成酵素の方が細胞膜Na+,K+-ATPaseより10,000倍高いため、虚血により低酸素状態になると、ミトコンドリアは宿主細胞からATPを奪い、エネルギーを急速に枯渇させることを1年目に発見した。今年度は薬理学的にプレコンディショニングを起こすと考えられているDiazoxideを用い、細胞膜電位およびミトコンドリア電位に対する効果を測定した。大脳皮質にミトコンドリア電位感受性色素(JC-1)を、2μ1/分の速度で1分間注入し、大脳皮質の神経細胞に内にloadingした。キセノンランプで490nmの青色光を2秒間脳表に照射し、ミトコンドリア内に集積した色素を励起させた。脳表の赤色蛍光(590nm)、緑色蛍光(530nm)を電子冷却CCDカメラで撮影し、その比率から30μm×30μmの分解能で20秒毎にミトコンドリア電位を算出した。その結果、Diazoxide投与により大脳皮質の細胞のミトコンドリア電位は低下傾向を示した。In vitroの研究ではdiazoxideによりミトコンドリアが脱分極することは報告されていたが、in vivoの生理的条件下では確かめられていなかった。本研究によりDiazoxideはミトコンドリア電位を低下させることが確認された。
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