2006 Fiscal Year Annual Research Report
ミトコンドリアのエネルギー動態からみた脳虚血の治療法
Project/Area Number |
16390452
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Research Institution | OKAYAMA UNIVERSITY |
Principal Investigator |
森田 潔 岡山大学, 大学院・医歯薬学総合研究科, 教授 (40108171)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
武田 吉正 岡山大学, 医学部・歯学部附属病院, 助手 (30294466)
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Keywords | ミトコンドリア / エネルギー動態 / 呼吸鎖 |
Research Abstract |
本年度は短時間虚血によるプレコンディショニングがミトコンドリア電位と細胞膜電位に及ぼす効果を検討した。3分程度の短時間虚血はプレコンディショニングを起こす事がよく知られているが、3分程度の短時間虚血でもミトコンドリア電位が低下するかどうかは不明であった。 大脳皮質にミトコンドリア電位感受性色素(JC-1)を、2μl/分の速度で1分間注入し、大脳皮質の神経細胞に内にloadingした。キセノンランプで490nmの青色光を2秒間脳表に照射し、ミトコンドリア内に集積した色素を励起させた。脳表の赤色蛍光(590nm)、緑色蛍光(530nm)を電子冷却CCDカメラで撮影し、その比率から30μm×30μmの分解能で20秒毎にミトコンドリア電位を算出した。その結果、短時間虚血(2分間)により大脳皮質の細胞のミトコンドリア電位は低下傾向を示した。In vitroの研究では低酸素・低グルコースによりミトコンドリアが脱分極することは報告されていたが、in vivoの臨床に近い脳虚血では確かめられていなかった。本研究により短時間の脳虚血でもミトコンドリア電位を低下させることが確認された。前年度はケミカル・プレコンディショニングを起こす薬剤であるDiazoxideがin vivoがミトコンドリア電位を低下させることを観察している。プレコンディショニングの獲得にはミトコンドリア電位の低下が関与している可能性が示唆された。
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