2004 Fiscal Year Annual Research Report
前立腺特異抗原(PSA)の糖鎖構造に関する研究-特異度の高い新規アッセイ法の開発-
Project/Area Number |
16390459
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Hirosaki University |
Principal Investigator |
大山 力 弘前大学, 医学部, 教授 (80282135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
羽渕 友則 秋田大学, 医学部, 教授 (00293861)
土谷 順彦 秋田大学, 医学部, 助教授 (70282176)
荒井 陽一 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50193058)
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Keywords | 前立腺特異抗原 / 糖鎖 / 血清診断 |
Research Abstract |
前立腺特異抗原(PSA)は糖蛋白であり、N結合型糖鎖が一ケ所存在する。今年度はPSAの糖鎖構造の癌性変異を検出するために、まずseminal fluid由来のPSA糖鎖の詳細な構造解析を行い、さらに、前立腺癌に特異的なPSAの糖鎖構造の変異を検出するレクチンの同定を行った。 seminal fluid由来PSAから糖鎖を切り出し、ピリジルアミノ化した後、high performance liquid chromatography(HPLC)で分析した。次にLens culinaris(Lch)、Aleuria aurantia(AAL)、Sambucus nigra(SNA)、Maackia amurensis(MAA)レクチンを用い、レクチンカラムクロマトグラフィーで各々の吸着率を求めた。非癌性PSAとしてはseminal fluidおよび前立腺肥大症組織を用い、癌性PSAとしてはLNCaP培養上清を用いた。レクチン親和性はさらにPlasmon resonance(SPR)分析で評価した。 その結果、seminal fluid由来PSAのN-glycanの基本構造は2本鎖のオリゴ糖が主体であったが、癌性PSAはMAAとの親和性が高く、末端のシアル酸がα2,3でガラクトースに結合していることが示唆された。このことはSPR分析でも証明された。 本年度の結論として、癌性PSAと非癌性PSAとではMAAレクチンとの親和性が大きく異なることが明らかになった。この親和性の違いを利用して、癌特異的PSAを検出する新規アッセイ法の開発が期待される。
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Research Products
(1 results)