2004 Fiscal Year Annual Research Report
子宮頚がん発生予防のためのHPVワクチンの開発と臨床応用に関する研究
Project/Area Number |
16390472
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉川 裕之 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40158415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 肇 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (60197754)
八杉 利治 東京大学, 医学部, 助手 (20251267)
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Keywords | HPV / 免疫 / L1-capsids / CIN / PTEN / コホート / IgG抗体 / 腺癌 |
Research Abstract |
1.HPV陰性子宮頸部腺癌とPTENとの関連;ミューラー管起源の女性生殖器官である卵巣、子宮内膜、子宮頸管からは、頻度の差はあるが、漿液性、粘液性、類内膜、明細胞の腺癌が発生する。がん抑制遺伝子の一つであるPTENのmutationは、子宮内膜および卵巣の類内膜腺癌のがん発生過程に関与することが知られている。子宮頸部の腺癌および腺扁平上皮癌の発生機序を知るために、32例の同腫瘍(類内膜腺癌;8例、粘液性腺癌;14例、腺扁平上皮癌;10例)においてPTEN mutationとHPVについて検索した。HPV DNAはPTEN wild typeの腺癌の18例中11例(61%)と腺扁平上皮癌10例中8例(80%)に検出された。11例のHPV陰性腫瘍のうち、類内膜腺癌5例中2例、粘液性腺癌6例中2例にPTEN mutationが検出された。HPV陽性腺癌または腺扁平上皮癌にはPTEN mutationは存在しなかった。PTEN mutationはHPV陰性腺癌に高率に認められ、中でも類内膜腺癌に多いことは、子宮内膜や卵巣での所見と一致する。 2.CIN自然消退とHPV 16/52/58/6L1 capsidsに対するIgG抗体との関係;CIN自然消退に関係する因子を明らかにするために、HPV L1-capsidsに対するIgG抗体がCIN自然消退に関係するかどうか調べた。116名のCIN I/II患者のコホート研究において、HPV DNAおよびHPV 16/52/58/6に対するIgG抗体を調べた。これらのIgG抗体は、CIN gradeやHPV typeとは異なり、CIN消退の予測因子にはならなかった。
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Research Products
(6 results)