2005 Fiscal Year Annual Research Report
子宮頚がん発生予防のためのHPVワクチンの開発と臨床応用に関する研究
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16390472
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
吉川 裕之 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 教授 (40158415)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
角田 肇 筑波大学, 大学院・人間総合科学研究科, 助教授 (60197754)
八杉 利治 東京大学, 医学部, 講師 (20251267)
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Keywords | HPV / 液性免疫 / L1-capsids / CIN / 細胞性免疫 / コホート / IgG抗体 / CIN消失 |
Research Abstract |
目的;子宮頸がんの前駆病変である子宮頸部上皮内腫傷(CIN)は自然消失することが少なくない。CINの消失を予測する因子を解明することを目的として、HPV L1カプシドに対するIgG抗体がCIN消失に相関するかを検討した。 方法;CIN 1/2患者116名(CIN;80名、CIN II;36名)のコホート研究において、HPV DNAの検出および型決定とHPV16/52/58/6のL1カプシドに対する血清IgG抗体側定を行った。CIN消失とHPVL1抗体、HPV型、CINのグレードなどの関連を解析した。3-6ヶ月おきに細胞診、コルポ診で経過観察し、 成績;HPV16DNAが12%、HPV52DNAが10%、HPV58DNAが14%に検出された。一方、HPV16/52/58/6の4種のHPVL1抗体のいずれかが77名(66%)に検出された(16名に2種の抗体、21名に3種の抗体、3名に4種すべての抗体が検出された)。HPV16/52 /58のDNA陽性とそれぞれの抗体陽性は型特異的に有意に相関していた。HPV陽性、CINグレードはCIN消失の予測因子であった(p=0.007とp=0.01)が、ベースラインのHPVL1抗体はCIN消失の予測因子ではなかった(p=0.47)。HPVL1抗体陽性者の消失カーブはHPVL1抗体陰性者のそれとほぼ同様であった(HR=1.1[95%CI;0.4-1.4])。HPV16/52/58DNA陽性者に限っても、HPVL1抗体はCIN消失には関連がなかった。 結論:HPVL1抗体の有無は、HPVに対する細胞性免疫の有無と関連がないためにCIN消失との関連がなかったと推察される。
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Research Products
(6 results)