2004 Fiscal Year Annual Research Report
胎生期の栄養異常が成人期の生活習慣病発症リスク因子となる機序とその予防の研究
Project/Area Number |
16390475
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
伊東 宏晃 京都大学, 医学研究科, 講師 (70263085)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐川 典正 三重大学, 医学部, 教授 (00162321)
由良 茂夫 京都大学, 医学研究科, 助手 (60335289)
小川 佳宏 東京医科歯科大学, 難治疾患研究所, 教授 (70291424)
菅 真一 国立循環器病センター, 研究所・病因部, 室長 (70273456)
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Keywords | 妊娠 / IUGR / 栄養 / 生活習慣病 / fetal programming / 肥満 / 高血圧 / 糖尿病 |
Research Abstract |
本研究は、妊娠期間中の栄養状態と老年期に発症する生活習慣病の関係の解明を目指すものである。妊娠期の栄養状態を変化させた胎仔発育遅延モデル(マウスIUGRモデル)を作製し、中枢性のレプチン抵抗性を獲得し、高脂肪食負荷による易肥満性、耐糖能の低下、脂質代謝異常を引き起こす老年期発症生活習慣病の新しいモデルマウスを確立した。マウスの新生仔にはレプチンサージと呼ばれる血中レプチン濃度の一過性の上昇が認められるが、このマウスIUGRモデルでは「レプチンサージの早期化」が生ずることが明らかとなった。正常マウスの新生仔にレプチンを投与して「レプチンサージの早期化」を引き起こした場合に、マウスIUGRモデルの老年期と同様に中枢性のレプチン抵抗性を獲得し、高脂肪食負荷による易肥満性、耐糖能の低下、脂質代謝異常が認められたことから、「レプチンサージの早期化」は胎生期の低栄養が老年期に発症する生活習慣病のリスク因子となる機序に深く関与していることを初めて明らかにした。さらに、「レプチンサージの早期化」は視床下部におけるレプチンの感受性を低下させるのみならず、neuropeptide Y(NPY)やproopiomelanocortin(POMC)のなどのエネルギー代謝調節に重要な役割を果たす神経線維の発達あるいは活性化に影響を及し、結果として高脂肪食負荷に対するdiet induced thermogenesis(DIT)反応の活性化を抑制して、易肥満性を獲得することを初めて明らかにし、現在論文投稿中である。本研究により、胎生期の低栄養環境が成熟後の肥満や糖代謝異常などの生活習慣病発症に関与する具体的な機序の一旦が解明されつつある。
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Research Products
(6 results)