2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390482
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
古田 康 北海道大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60261301)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
澤 洋文 北海道大学, 人獣共通感染症リサーチセンター, 教授 (30292006)
中丸 裕爾 北海道大学, 病院・助手 (20344509)
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Keywords | 顔面神経麻痺 / 単純ヘルペスウイルス / 水痘帯状疱疹ウイルス / ベル麻痺 / Hunt症候群 |
Research Abstract |
1.Bell麻痺症例におけるHSV-1再活性化動態 発症早期にHSV-1DNA量のピークを示す漸減または山型パターンでは、HSV-1再活性化が麻痺の発症に関与していることが疑われた。一方、発症1週以降にHSV-1DNAが陽性化する遅発パターンが認められたが、このパターンはzoster sine herpete(ZSH)例においても認められ、麻痺の発症には関連しない再活性化と考えられた。HSV-1DNA量と重症度、予後には明らかな関連は認められなかった。 2.ヘルペスウイルス再活性化動態と麻痺発症パターンからみた抗ウイルス療法の考察 ウイルス再活性化と麻痺発症のタイミングを検討し、また抗ウイルス剤とステロイドの併用療法の効果を調べた。ヘルペスウイルス再活性化動態と麻痺発症パターンには多様性があり、抗ウイルス剤が本当に効果を示すのは一部の症例であることが推測された。 3.顔面神経麻痺後遺症に対するボツリヌス療法に関する検討 末梢性顔面神経麻痺後に病的共同運動が残存した17症例に対してボツリヌス毒素療法を施行し、その治療成績を検討した。眼裂比測定、Sunnybrook法による評価では、ほぼ全例において治療前後で改善が認められた。有害事象に重篤なものは認められなかった。ボツリヌス毒素療法は低侵襲であり、病的共同運動に対する有用な治療方法であると考えられた。 4.顔面神経麻痺後遺症におけるSunnybrook(SB)評価法に関する検討 SB法を麻痺後遺症の評価とともに、特にボツリヌス毒素による後遺症の治療効果判定に応用し、その有用性を検討した。ボツリヌス毒素療法後に安静時対称性・病的共同運動・総合点については有意な改善が認められたが、随意運動については悪化する傾向がみられた。また、病的共同運動スコアの変化は眼裂比の変化とよく相関していた。
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Research Products
(7 results)