2005 Fiscal Year Annual Research Report
脳磁図による両耳聴・聴覚・視覚マルチモーダル信号処理の脳内メカニズムの解明
Project/Area Number |
16390483
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
川瀬 哲明 東北大学, 医学系研究科, 助教授 (50169728)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 陽一 東北大学, 電気通信研究所, 教授 (20143034)
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Keywords | 脳磁図 / 両耳聴 |
Research Abstract |
今回申請の研究では、これまで心理音響的に評価されてきた両耳聴覚機能、視覚-聴覚のマルチモーダル信号処理機能を脳磁図を用いて解析し、その脳内情報処理機構を明らかにすることを目的としている。昨年度は、主に、脳磁図、心理学的検査の為の共通刺激の作成を行ない、本年度は、昨年度作成した脳磁図、心理学的検査の為の共通刺激を用いた実際の測定並びに、刺激の改良、修正を行った。まず最初に、心理音響検査を実施し、一定以上の効果が認められた刺激について脳磁図検査での検討を行うこととした。 1)心理音響検査 a)両耳ラウドネス加算:単耳刺激と両耳刺激でのラウドネス特性を測定。両耳刺激によりラウドネスが約6dB大きくなることが示された。 b)雑音下での信号検知能:マスキングレベル差(masking level dtffrence : MLD)測定。低周波数刺激を用いた際に、著明なMLD(最大20dB効果)を観察。 c)音像定位能:両耳に提示する信号の音圧差、時間差を測定。特に、音圧差と時間差によるtime-intensity trading刺激を追加作成した。 d)聴覚刺激提示前の視覚刺激提示による信号知覚の改善:音信号提示前に視覚刺激を提示し音刺激に対する反応性の検討したが、閾値への影響は数dBであった。 2)脳磁図検査 本年度、脳磁図検査装置(広南病院)が装置周辺設備工事のために検査予定時期の大部分の時期に使用できなかったため、MLD効果、の測定と臨床例を対象とした両耳刺激の反応優位性の検討のみが施行可能であった。MLD効果は、心理音響検査と同質のMLD現象が左右いずれの半球でも観察された。残りの刺激については、最終年度に集中的に検討を行う予定である。
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