2006 Fiscal Year Annual Research Report
仮想現実空間で誘起される平衡障害の脳機能画像を用いた評価
Project/Area Number |
16390484
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Research Institution | Gunma University |
Principal Investigator |
古屋 信彦 群馬大学, 大学院医学系研究科, 教授 (80107606)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鎌田 英男 群馬大学, 医学部, 講師 (40251102)
近松 一朗 群馬大学, 大学院医学系研究科, 講師 (30301378)
豊田 実 群馬大学, 医学部, 助手 (70344942)
宮下 元明 群馬大学, 大学院医学系研究科, 助手 (30400740)
坂倉 浩一 群馬大学, 医学部, 医員 (40400741)
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Keywords | 認知科学 / バーチャルリアリチィー / 脳磁図 / 前庭皮質 |
Research Abstract |
昨年の成果を踏まえバーチャルリアリチィー刺激による回転感、直線加速度感誘発のための至適刺激条件、対象刺激条件を検索し決定した。平面スクリーンと刺激効果を高めるために独自開発した直径120cmの半球型ドームスクリーンを使用して同一刺激パターンで刺激を行った。回転感については視角が広い平面スクリーンがより有効であった。直線加速度においてはドーム型スクリーン刺激が優れていた。すなわちドーム型スクリーンでは視角を十分確保で出来ないためと考えられた。しかしドームの直径は脳磁図の規格上最大になるように作成したのでこれ以上の改良は断念した。直線化速度刺激には直径のことなる円形物質が視野の中心より湧き出る画像を作成し、その速度を様々に変化させたものを使用した。回転刺激には直径の異なる円形物質を投射し、視野の中心で様々な持続時間で回転する刺激を使用した。回転刺激条件で、1刺激時間を短くする事により回転感を生じなく、視野の回転のみ認知できる刺激時間、2回転感を認知できる刺激時間、3回転刺激後逆に回転する感覚を生じる刺激時間の3反応に分かれる事がわかった。1〜3条件では島後背部皮質(PIVC)からの反応が強く見られたが3の刺激によってその反応波の振幅減少が観察された。このことはPIVCでは従来動きに感じられるといわれるMT野同様、視野の動きに対する反応が強い事がわかった。一方3の刺激で反応波の振幅が抑制されることはPIVCでは回転感に対して反応が減少すると考えられた。PETによる報告の中でめまい刺激ではFDGの集積がPIVCで低下するという報告がある。われわれのデータからはPIVCはMT野同様視野の動きに対して強く反応するがめまい感を生じると抑制される事がわかった。PETでは時間分解能、空間分解能ともに脳磁図極端に劣ることを考えると今回の結果は重要な所見である。
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Research Products
(1 results)