2005 Fiscal Year Annual Research Report
内耳有毛細胞に存在する機械電気変換イオンチャンネルの単離と機能解析
Project/Area Number |
16390490
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
鵜川 眞也 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 講師 (20326135)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
島田 昌一 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (20216063)
藤森 修 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (30128350)
平林 義章 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (30181184)
村上 信五 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80157750)
石田 雄介 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (30381809)
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Keywords | MET channel / ASIC1b / 有毛細胞 / 感覚毛 / 内耳 / 免疫組織化学 / ノックアウトマウス / 難聴 |
Research Abstract |
機械刺激電気変換チャネルMET(mechano-electric transduction)channelの候補遺伝子としてacid-sensing ion channel-1b(ASIC1b)が有力であったため、特異的抗体を作製し、マウス内耳有毛細胞における分布を検討したところ、内有毛細胞および外有毛細胞の各感覚毛のクチクラ板に挿入する部位、すなわち感覚毛の根本部分に発現していることがわかった。以前よりMET channelは、感覚毛の先端付近に位置し、リンクによって機械的に開閉されると考えられていたが、最近になって、リンクを破壊した感覚毛においてもmechano-electric transductionが起こることが明らかになり、このことは、MET channelが感覚毛の基部に存在することを意味している(さもなければ感覚毛の傾きにより生じた力はどこに伝わるというのか?)。ASIC1bの発現する位置が、まさにこの部位であり、ASIC1bの聴覚への関与を証明するために、ASIC1b KO mouseの作製に着手した。ノックアウトに用いるコンストラクトを作製し、ES cellに注入、年内にF1世代が得られる予定である。また、アフリカツメガエル卵母細胞発現系を用いてASIC1bが機械刺激に感受性を示すかどうか電気生理学的に検討したところ、ASIC1bの惹起する電流は低浸透圧刺激すなわち細胞膜の伸展刺激により増強することがわかった。このデータもASIC1bがMET channelであることを強く示唆するものである。
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