2005 Fiscal Year Annual Research Report
Bell麻痺、Hunt症候群の早期診断と病因・病態・治療に関する基礎・臨床的研究
Project/Area Number |
16390491
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Research Institution | Nagoya City University |
Principal Investigator |
村上 信五 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (80157750)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西野 仁雄 名古屋市立大学, 学長 (60073730)
中島 捷久 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40012778)
小関 晶嗣 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 研究員 (80315887)
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Keywords | Bell麻痺 / Hunt症候群 / 早期診断 / 病因・病態 / 治療 / PCR |
Research Abstract |
平成17年度はHSV-1顔面神経麻痺マウスモデルを用いてステロイド剤の効果とラジカルスカベンジャーであるエダラボンの麻痺発症予防効果について検討した。 Bell麻痺やHunt症候群において、ステロイドの投与量に関する基準はなく、プレドニゾロンで初期量20mg/dayから200mg/dayまでの範囲で投与されているのが現状である。本研究ではHSV-1再活性化動物モデルを用いて、プレドニゾロンを初期量として0.5mg/kg/day(A群)、1mg/kg/day(B群)、3mg/kg/day(C群)を投与する3群(各10匹)を作成し、麻痺の回復経過と浮腫や炎症の程度を病理組織学的に比較し、ステロイドの至適量について検討した。その結果、完治までの日数はA群で7.5±3.2日、B群では5.7±2.2日、C群では5.1±2.4日であった。すなわち、ステロイドの初期量が多いほど治癒が促進される傾向が認められた。また、HE染色病理組織標本では、側頭骨内顔面神経の浮腫(神経管内に占める神経組織の割合)は、ステロイドの量が多いほど、軽微であった。以上のことから、ステロイドは神経浮腫を改善させることで、麻痺の回復を促進させることが推測された。また、その効果もステロイドの量に依存することが示された。 一方、エダラボンをHSV-1接種後、4日目に投与して麻痺発症予防効果を検討したが、エダラボン投与マウスでは10匹中7匹に麻痺が生じ、コントロール10匹中5匹に比較して、高頻度に麻痺が発症した。これは、予想外の結果であり、今後再検討することとした。
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Research Products
(5 results)