2005 Fiscal Year Annual Research Report
網膜微小循環障害に対する白血球抗接着療法の応用に向けての実験的研究
Project/Area Number |
16390501
|
Research Institution | NAGOYA CITY UNIVERSITY |
Principal Investigator |
小椋 祐一郎 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 教授 (70191963)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
吉田 宗徳 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助教授 (60273447)
山田 潔 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (60347416)
倉知 豪 名古屋市立大学, 大学院・医学研究科, 助手 (80405159)
|
Keywords | 黄斑浮腫 / 白血球 / トリアムシノロンアセトニド / 汎網膜光凝固 / アクリジンオレンジ / 網膜微小循環 |
Research Abstract |
汎網膜光凝固の合併症である黄斑浮腫の原因として血液網膜関門の破壊が示唆されており、我々は白血球の網膜集積がその成因に関与している可能性を報告してきた。近年、黄斑浮腫の治療にトリアムシノロンアセトニド(TA)のテノン嚢下注入が行われ、良好な成績を上げている。我々はラット網膜に汎網膜光凝固を施行し、白血球の網膜微小循環障害に対するTAの効果を検討した。 【方法】雄有色ラットの耳側半周網膜に汎網膜光凝固を行い(100μm、0.05秒、50mW、400発)、TA2mgをテノン嚢下注入した。生理食塩水50μlをテノン嚢下注入したものを生食群、光凝固をしない未処置のものを未処置群とした。光凝固後1日目にアクリジンオレンジデジタルフルオログラフィーを用いて、白血球の網膜細静脈におけるローリング数、網膜内集積数、硝子体内集積数および網膜細動静脈径を比較した。また、光凝固後1および3日目に光干渉断層計(OCT)を用いて網膜厚を測定した。 【結果】TA注入群では白血球のローリング数、網膜内集積数、硝子体内集積数、動静脈血管径はすべて生食群と比べ有意に減少した。未処置群と比べ生食群では網膜厚が有意に増加した。TA注入群では光凝固後1日目、3日目とも網膜厚増加を有意に抑制した。 【結論】TAは汎網膜光凝固による白血球の網膜微小循環障害および炎症性反応を有意に抑制した。網膜浮腫に対するTAの抑制効果には、白血球循環障害の改善が一因として考えられた。
|
Research Products
(2 results)