2005 Fiscal Year Annual Research Report
結膜上皮層内に存在する角膜上皮細胞クラスターの同定とその臨床応用
Project/Area Number |
16390502
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Research Institution | Kyoto Prefectural University of Medicine |
Principal Investigator |
木下 茂 京都府立医科大学, 医学研究科, 教授 (30116024)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川崎 諭 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (60347458)
稲富 勉 京都府立医科大学, 医学研究科, 助手 (00305583)
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Keywords | keratin 12 / corneal epithelium / conjunctival epithelium / transplantation / gene expression / tissue engineering |
Research Abstract |
眼表面粘膜は主に角膜上皮細胞と結膜上皮細胞から構成されている。我々はこれらの細胞の生物学的特徴を把握するためにヒト角膜、結膜上皮細胞より3'末端cDNAライブラリを構築し、成果として角膜で特異的に発現する遺伝子であるケラチン12を新規クローニングし、さらにそのゲノム構造を解析した。またそれまで原因遺伝子が不明であったMeesmann角膜変性症の原因遺伝子がケラチン12であることを解明した。 我々は結膜上皮のなかにケラチン3/12陽性細胞がクラスターをなして存在することを偶然に発見した。これまで角膜上皮と結膜上皮はその境界部である輪部において明確に分かれており、その細胞についても全く異なる性質のものであると考えられてきた。本研究において我々は、結膜上皮内のケラチン3/12陽性細胞の遺伝子発現パターンを調べ、それが角膜上皮細胞のものと極めて類似していることを見いだし、これらの細胞が結膜上皮内に異所性に存在する角膜上皮であると結論づけた。またこの細胞は結膜上皮の中に約1%程度の割合で存在しており、その基底にはそれらの幹細胞と思われる細胞群が存在していた。 結膜上皮細胞を角膜上皮細胞の代用細胞として臨床使用することについても本研究で検討した。結果として我々はヒト結膜上皮細胞をシート上に培養することに成功し、培養したヒト結膜上皮シートは移植後2週間経過した時点においてもウサギ角膜上に上皮としての形態を保ったまま維持されていた。この成果によって自己の結膜上皮をStevens-Johnson症候群等の輪部疲弊患者に対して使用する礎ができたものと考えており、今後ヒトへの応用についても検討していきたいと考えている。
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Research Products
(7 results)