2004 Fiscal Year Annual Research Report
グループスタディによる肝芽腫の多戦略診断および治療法の開発
Project/Area Number |
16390503
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Chiba University |
Principal Investigator |
大沼 直躬 千葉大学, 大学院・医学研究院, 教授 (50125910)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐々木 文章 北海道大学, 大学院・医学研究科, 教授 (40178661)
林 富 東北大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (40125638)
橋都 浩平 東京大学, 大学院・医学系研究科, 教授 (50180815)
檜山 英三 広島大学, 医学部・歯学部附属病院, 教授 (00218744)
中川原 章 千葉県がんセンター, 生化学研究部, 部長 (50117181)
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Keywords | 肝芽腫 / グループスタディ / MDR1 / C / EBP |
Research Abstract |
42例の肝芽腫組織から得られたRNAに対して、肝芽腫におけるMDR1遺伝子の発現量をリアルタイム定量RT-PCR法(Light Cycler法)にて解析した。17例は化学療法前の検体で、25例は化学療法後の検体である。MDR1の発現は化学療法後の検体で高い傾向にあったが、有意差は無かった。また、高分化型、早期症例、生存例で発現量が高い傾向にあったが、これらは有意ではなかった。そこで個々の症例を高発現、低発現の2群に分けて生存曲線を作成したところ、高発現症例の5年生存率は87%、低発現症例の生存率は50%と、有意に予後が異なった(p=0.0097)。 転写因子CCAAT/enhancer binding protein α(C/EBPα)とC/EBPβの変化をリアルタイム定量RT-PCR法(Taq-Man法)と免役染色にて解析し、single-strand conformation polymorphism (SSCP)法にて、塩基配列の異常を解析した。その結果、SSCP法では、C/EBPα、C/EBPβともに塩基配列の異常は検出されなかった。しかし、C/EBPα発現は正常肝組織部に比して腫瘍部において有意に高く、C/EBPβ発現はその逆のパターンを示した。とくにC/EBPβは、臨床病期が進行し、病理組織像が未分化になるほど腫瘍部での発現が低下していた。5年累積生存率は、腫瘍部でのC/EBPα発現が高いほど、また、C/EBPβ発現が低いほど、予後が悪かった。
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