2005 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390523
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大島 勇人 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70251824)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 邦子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (80213693)
鈴木 啓展 新潟大学, 医歯学系, 助手 (60377190)
原田 英光 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教授 (70271210)
|
Keywords | 組織幹細胞 / 歯髄 / 歯の再植 / 半導体レーザー / 象牙芽細胞 / 破骨細胞 / BrdU / ストレスタンパク質 |
Research Abstract |
歯胚形成過程における細胞増殖と細胞分化の関係については、ブロモデオキシウリジン(BrdU)ラベリングと歯の形成細胞の分化マーカーであるストレスタンパク質(HSP-25)免疫組織化学により、象牙芽細胞系細胞は細胞増殖を終えると一過性にHSP-25を発現し、その後象牙芽細胞が持続して同タンパク質を発現することが明かとなった。すなわち、HSP-25が細胞の増殖と分化のスイッチに重要な役割を果たすことが明かとなった。さらに、歯冠形成から歯根形成へのスイッチが歯乳頭(歯髄)での線維芽細胞増殖因子(FGF)-10の消失により引き起こされ,歯乳頭でのFGF-10発現が歯胚上皮組織幹細胞の維持に重要な役割を果たすことが明かとなった。 歯の損傷後の歯髄修復機構については、歯への半導体レーザー照射ならびに歯の再植後の歯髄治癒過程を検索し、以下のことが明かとなった。 1.歯への半導体レーザー照射は、出力依存的に歯髄損傷を引き起こし、歯髄内に第三象牙質形成、骨組織形成を引き起こすことが明かとなった。 2.歯の再植後の歯髄治癒過程において歯髄内に骨組織形成が惹起される場合、歯髄内に破骨細胞系細胞が出現し歯髄間葉細胞とコンタクトし、その後骨組織形成後も破骨細胞系細胞が持続して存在することが明かとなった。 以上の結果から、歯髄内には象牙質形成能を有する象牙芽細胞系細胞と骨形成能を有する骨芽細胞系細胞の両者が存在することが示唆され、骨芽細胞の出現には破骨細胞系細胞の存在が重要な役割を果たすことが示唆された。一方、歯髄・象牙質界面での樹状細胞の出現は象牙芽細胞分化に関与することが示唆されており、歯の損傷後の歯髄内環境の状態により、樹状細胞もしくは破骨細胞系細胞の出現を促し、歯髄内硬組織形成パターンを規定していることが示唆された。
|
Research Products
(13 results)