2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390523
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
大島 勇人 新潟大学, 医歯学系, 教授 (70251824)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大島 邦子 新潟大学, 医歯学総合病院, 講師 (80213693)
鈴木 啓展 新潟大学, 医歯学系, 助手 (60377190)
原田 英光 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (70271210)
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Keywords | 組織幹細胞 / 歯髄 / 歯の再植 / 歯の移植 / 象牙芽細胞 / 骨芽細胞 / BrdU / ROSA26 |
Research Abstract |
歯髄の生物学的特性を理解するために、マウスの歯を抜去後歯根と髄床底を除去し、歯冠部だけを舌下部に移植する自家および他家移核実験系を確立し、歯髄の分化能について検索した。また、マウスの歯の再植実験系についても確立し、手術時間と咬合力が歯の再植後の歯髄治癒パターンに及ぼす影響を検索し、以下の事が明らかになった。 1.歯冠部の舌下部への自家および他家移植において、既存の象牙質に連続して第三象牙質形成が起こること、歯髄腔には骨組織形成が起こることが明らかになった。歯髄または象牙質だけの移植においては硬組織形成が誘導されないことから、歯髄内硬組織形成には象牙質基質と歯髄の組み合わせが必須であることが明らかになった。 2.ROSA26トランスジェニックマウスを用いた他家移植実験により、ドナーの歯髄由来の細胞により象牙質形成が起こり、ドナーおよびホスト双方に由来する細胞により骨組織形成が起こることが明らかになり、歯髄には象牙芽細胞系細胞と骨芽細胞系細胞が存在することが明らかになった。 3.歯の再植後の歯髄治癒過程において、意図的手術時間の延長により骨組織形成の割合が高くなり、対合歯の抜去により象牙質形成の割合が高くなったことにより、手術時間の延長と咬合力が象牙芽細胞系細胞の生存に対して増悪因子として働くことが明らかになった。 以上の結果から、歯の再植・移植などの歯の外傷に対し、歯髄が高い免疫防御機能を有すると共に、骨組織形成能を含めた多分化能をもつことが明らかになった。しかしながら、歯髄における組織幹細胞adultstemcells(体性幹細胞)の局在については十分に分かっていないのが現状である。現在、ブロモデオキシウリジン(BrdU)ラベリングを用いて、歯髄組織幹細胞の局在についても明らかにしており、今後は歯髄組織幹細胞の分化能について、さらに検索を進める予定である。
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Research Products
(14 results)