2004 Fiscal Year Annual Research Report
三叉神経中脳路核ニューロンのシナプスと末梢感覚受容器の発生と再生機構の解析
Project/Area Number |
16390526
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
脇坂 聡 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 教授 (40158598)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
原田 英光 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助教授 (70271210)
前田 隆史 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (80324789)
本間 志保 大阪大学, 大学院・歯学研究科, 助手 (40372627)
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Keywords | 歯根膜機械受容器 / 三叉神経節 / 三叉神経中脳路核 / シナプス関連タンパク / 軸索輸送 / RT-PCR / 免疫組織化学 |
Research Abstract |
顎・口腔領域の主機能である栄養摂取など生体維持の根幹をなす顎運動は神経系により調節されている。その顎運動神経回路網の入力系である求心性神経の細胞体は三叉神経節と三叉神経中脳路核に存在し、三叉神経中脳路核ニューロンは唯一中枢神経系に存在する一次感覚ニューロンであり、末梢感覚受容器として歯根膜機械受容器と閉口筋の筋紡錘を支配している。また三叉神経中脳路核ニューロンは他の一次感覚ニューロンと異なり、他のニューロンからのシナプス入力を受けているという特性がある。そこで本研究ではシナプス関連タンパク質に注目し、三叉神経中脳路核由来の末梢感覚受容器である歯根膜機械受容器の発生や支配神経損傷後の再生に関して検索した。 三叉神経中脳路核ニューロンおよび三叉神経節ニューロンのいずれもシナプス関連タンパク質であるsynaptophysin、synaptosomal-associated protein-25 (SNAP-25)、syntaxin-I、synaptobrevinを持つことがRT-PCRを用いて確認され、免疫組織化学的にも認められた。ラット切歯歯根膜においてはsynaptophysinはほとんど全ての神経線維に認められ、syntaxin-I、SNAP-25も歯根膜機械受容器であるルフィニー神経終末に認められ、電子顕微鏡での観察でも軸索に局在することが明らかになった。しかしながらsynaptobrevinは認められなかった。,一方中枢側の投射領域である三叉神経脊髄路核尾側亜核に認められた。また下歯槽神経を結紮して観察したところ、これらのタンパク質が蓄積していることが分かった。このことは細胞体で合成されたシナプス関連タンパク質がシナプスを形成していない末梢側へも軸索輸送されていることを示唆している。これらのタンパク質の発現は発生、再生過程においても認められた。
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