2004 Fiscal Year Annual Research Report
新規膜表面受容体による破骨細胞分化制御:遺伝子欠損マウスの作製と分子組織学的解析
Project/Area Number |
16390528
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Research Category |
Grant-in-Aid for Scientific Research (B)
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久木田 敏夫 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助教授 (70150464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久木田 明子 佐賀大学, 医学部, 助教授 (30153266)
永田 健吾 九州大学, 大学院・歯学研究院, 助手 (90189134)
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Keywords | 破骨細胞 / 膜表面抗原 / DC-STAMP / Kat1抗原 / siRNA / 分化 / 骨吸収 |
Research Abstract |
本研究では破骨細胞分化の鍵となる新規膜表面分子(DC-STAMP及びKat1抗原)の機能を解明することを主たる目的とする。これらの分子の機能を試験管内破骨細胞分化系を用いて詳細に検討した。RANKLによって誘導される破骨細胞分化に伴ってDC-STAMPの発現が誘導された。その発現誘導はTRAPやカテプシンK等の破骨細胞分化マーカーに先んじて観察された。DC-STAMPの発現を特異的に阻害するsiRNA及び阻害効果を有さない変異siRNAを作製し、破骨細胞分化への効果を検討したところ、DC-STAMP特異的siRNAによる破骨細胞分化の著しい阻害が認められた。変異siRNAによる阻害効果は認められなかった。更に、DC-STAMP特異的抗体を破骨細胞分化系に添加すると、破骨細胞分化の有意な阻害が認められた。DC-STAMPのcDNAをクローニングし、マウスマクロファージ系細胞株に遺伝子導入するとRANKL依存性の破骨細胞分化が顕著に促進された。DC-STAMPを遺伝子導入した細胞から形成された破骨細胞の核数は著しく増加していた。これらの結果より、RANKLによって誘導される破骨細胞分化(多核化の段階を含む)に於いて、DC-STAMPが重要な役割を果たしていることが明らかとなった。本研究成果はJ.Exp.Med.200:941-946,2004(Kukita T. et al)に報告した。Kat1抗原は活発に骨吸収を営む破骨細胞が特異的に発現する膜表面分子であるが、本研究では更に破骨細胞の分化及び活性化におけるKat1抗原の働きを解析する目的で、Kat1抗原の分子生物学的解析を進めている。今回、破骨細胞の機能制御(骨吸収制御)に於いて、本分子が重要な働きを演ずる可能性を見出した。新規膜表面分子Kat1抗原及びDC-STAMPの試験管内での機能解析結果を基盤として、これらの分子の生体内に於ける機能解析を行っていく予定である。
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Research Products
(6 results)