2005 Fiscal Year Annual Research Report
新規膜表面受容体による破骨細胞分化制御:遺伝子欠損マウスの作製と分子組織学的解析
Project/Area Number |
16390528
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
久木田 敏夫 九州大学, 歯学研究院, 助教授 (70150464)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
久木田 明子 佐賀大学, 医学部, 助教授 (30153266)
永田 健吾 九州大学, 歯学研究院, 助手 (90189134)
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Keywords | 破骨細胞 / 膜表面抗原 / モノクローナル抗体 / 遺伝子改変動物 / 分化 / 活性化 |
Research Abstract |
破骨細胞分化因子RANKLを主体とする骨微小環境下、造血幹細胞から派生し単核の前駆細胞(前破骨細胞)どうしが特異的に認識・融合後、活性化を経て大型で多核の骨吸収細胞・破骨細胞が形成される。前破骨細胞の膜表面に存在する特定の分子が融合過程に関与すると考えられるが不明の点が多い。Suppression Subtractive Hybridization法により、破骨細胞分化にともなって誘導される遺伝子Tm7sf1を同定した。129SvマウスのBACベクターライブラリーよりTmsf1遺伝子を含むTmsf1遺伝子のゲノムをクローニングし、これを基にしてターゲッティングベクターを作製しES細胞に遺伝子導入し、Tmsf1遺伝子が欠損したES細胞の作製を行っているが、現時点では相同組換えが起こったコロニーの検出には至っていない。一方、破骨細胞の活性化に関しても不明の点が多いのが現状であるが、我々は破骨細胞の分化・活性化にともなって発現するユニークな膜表面制御分子Kat1抗原を見出しており、本抗原が破骨細胞の機能発現に於いて重要な役割を演ずることを示唆する所見を得ている。本研究では本抗原分子の遺伝子単離と遺伝子改変動物の作製を予定している。ビオチン標識した抗Kat1抗原モノクローナル抗体の結合を特異的に阻害する新しいモノクローナル抗体(IgG型)の作製に成功した。これらのモノクローナル抗体の中にはKat1抗原そのものを認識する抗体に加えて、Kat1抗原に結合している膜蛋白質に反応する抗体も含まれていた。Kat1抗原及びKat1抗原と結合する蛋白質について質量分析を進めるとともに遺伝子単離の準備を進めている。これらの新規膜表面分子の生体内における真の機能を解明し、その分子の発現制御、あるいはリガンドを同定することは重要である。本研究は新しい骨吸収制御法の開発の基盤となるものと思われる。
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Research Products
(4 results)