2005 Fiscal Year Annual Research Report
新開発人工口腔装置を用いた二次う蝕の発生メカニズムの解明と予防法の確立
Project/Area Number |
16390544
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
MATIN KHAIRUL 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科・う蝕制御学, COE特任講師 (00372433)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
田上 順次 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (50171567)
花田 信弘 国立保健医療科学院, 口腔保健部, 口腔保健部長 (70180916)
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Keywords | biofilm / Artificial Mouth System(AMS) / mutans streptococci / fluoride oligomer / secondary caries / white spot lesion / demineralization / remineralization |
Research Abstract |
本研究では新型マルチステージ・PCソフトウエア式(EPC-2000)人工口腔装置(AMS)を開発し、人工的初期、二次う蝕モデルを確立することにより修復材料の二次う蝕予防効果を判定すること、また、分子生物学的アプローチによりバイオフィルム形成システムを分析、初期う蝕については、QLF法等、新しい分析技術の応用により測定値と臨床所見との関連性を明確にすること、さらに、二次う蝕予防方法と初期う蝕の様々な病態に対する再構築法を確立することを目的とした。修復材料は物性および耐久性の向上にともない、さらにう蝕抑制作用にも注目が集まってきている。また、新しく開発された架橋性フッ素樹脂を含有させたコンポジットレジンを試作し、そのバイオフィルム付着性についても検討した。 これまでの研究から、新型マルチステージ・PCソフトウェア式人工口腔装置を採用したAMSを用いることで活動性を有する複数のう蝕原因細菌や細菌培養上必要となる各種栄養源を継続して装置内へ供給でき、より口腔内環境に近い状況にて、接着性修復材料周囲における二次う蝕発生:バイオフィルム形成に関する検討が可能となった。また、口腔レンサ球菌(S.mutans, S sobrinus, S.gordonii)やLactobacilli等が長期間だけでなく、ごく短期間で初期バイオフィルムを形成することを確認し、エナメル質の脱灰、象牙質う蝕の形成に起因していることも明らかになった。更にそれらを臨床に応用するため、オゾンを利用し初期う蝕発生の最も有力な原因菌である口腔レンサ球菌(S.mutans)を用いバイオフィルムの破壊、溶菌について立証した。またう蝕抑制、歯質再石灰化の促進についても明らかにされつつある。そして、現在、親水性撥油性を兼ね備え持つ、フッ素オリゴマー配合の新規歯科用レジンコーティング材(FO)を用いAMSにて実験を行っている。その結果、FOのグルカン生成率は低く、バイオフィルムの付着抑制効果が期待された。
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Research Products
(4 results)