2006 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
16390550
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
植松 宏 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 教授 (80100957)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳沢 幸江 和洋女子大学, 家政学部, 助教授 (60191160)
森田 定雄 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教授 (20202426)
山脇 正永 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 助教授 (30302855)
千葉 由美 東京医科歯科大学, 大学院保健衛生学研究科, 助手 (10313256)
小城 明子 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助手 (30412927)
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Keywords | 摂食・嚥下機能 / 高齢者 / 試験食品 / 粒度分布 / 咀嚼 |
Research Abstract |
高齢者の嚥下時の食塊の特徴を知るために,嚥下直前の粒度分布および咀嚼時の筋活動を調べ、若年者との比較を行った。 70歳以上の地域在住の高齢者27名および20歳代の若年者28名を対象に、食感の異なる9試料(乾あんず、食パン、煮ごぼう、鶏肉、かまぼこ、マッシュルーム水煮、あられ、茄でほうれん草、ぶり照焼)を一口量摂取させ、嚥下直前の食塊を回収した。回収した食塊を篩分法にて〜4.0mm、4.0〜2.8mm、2.8〜2.0mm、2.0〜1.0mm、1.0mm〜に5区分し,それぞれの乾重量を求めてその比率を算出した。各区における比率を用いて主成分分析し,高齢者群と若年者群の粒度分布の特徴を調べた。咀嚼開始から嚥下までの咬筋および顎二腹筋前腹の筋活動も測定し,粒度分布と併せて解析した。 その結果、粒度分布の特徴は試料により異なっていた。男女とも類似した傾向を示し,乾あんず,かまぼこ,マッシュルーム水煮,茹でほうれん草は粗い食塊,あられは細かい食塊であった。しかし,9試料の中で,乾あんずおよび茹でほうれん草咀嚼時の筋活動は高く,かまぼこやマッシュルーム水煮は低く,筋活動と粒度分布との関連は見られなかった。高齢者群と若年者群とで粒度分布の特徴に顕著な違いが見られた食品は,茄でほうれん草,ぶり照焼であり,いずれも高齢者群のほうが細かい食塊であった。 以上より、9試料の嚥下直前の食塊は,それぞれ異なった粒度分布の特徴を有していることがわかった。また,高齢者群と若年者群とで特徴に違いが見られた食品は,すべて高齢者群の粒度が細かいことがわかった。
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