Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
柳沢 幸江 和洋女子大学, 家政学部, 教授 (60191160)
森田 定雄 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 准教授 (20202426)
山脇 正永 東京医科歯科大学, 医学部附属病院, 准教授 (30302855)
千葉 由美 東京医科歯科大学, 大学院・保健衛生学研究科, 助教 (10313256)
小城 明子 東京医科歯科大学, 大学院・医歯学総合研究科, 助教 (30412927)
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Research Abstract |
誤嚥などの事故を防ぐためにも、摂食機能に応じた食事を提供することが重要である。摂食機能を簡単に判断できて、それに合わせた適切な食物形態を選べる指標の開発を目指した。 被験者に物性が異なる乾あんず,食パン,煮ごぼう,鶏肉,かまぼこ,マッシュルーム水煮,あられ,茹でほうれん草,ぶり照焼の9食品を提供した.各対象者の口腔機能を測定すると同時に,各試料の嚥下までの咀嚼回数を計数した.また,嚥下直前の食塊を回収し.食塊粒度分布,食塊物性,食塊水分含有率を調査した.咀嚼回数を目的変数に,口腔機能,食塊粒度分布,食塊物性,食塊水分含有率の各データを説明変数に,重回帰分析(ステップワイズ法)にて変数抽出を行い,回帰式を得た. 咀嚼回数を説明する回帰式が得られたのは,煮ごぼうと茄でほうれん草であった.被験者の固有値である口腔機能は,煮ごぼうでは咬合接触面積や最大咬合圧が,茹でほうれん草では第一大臼歯位置における咬合力が咀嚼回数に関与していた.しかし,粒度分布や凝集性が、より強く影響しており,それらの変数は咀嚼回数と間に相関関係が認められた. 本研究によって,日常食品の摂取状況から摂食能力を簡単に判断できる方法として,比較的水分含有率が高くて,付着性,凝集性,弾力性が強くなく,ややかたさのある食品を摂取したときの,嚥下までの咀嚼回数を計数する方法が最適であることが明らかになった。これは特別な装置や技術が不要であり,対象者への負担も少ない。ニーズの高い要介護高齢者施設における実施も充分可能であり,極めて有用であると考えられる。
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