2006 Fiscal Year Annual Research Report
再生エナメル質とCAD/CAMを用いた歯科修復材の開発と臨床応用
Project/Area Number |
16390560
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
寺田 善博 九州大学, 大学院歯学研究院, 教授 (30038898)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
永留 初實 九州大学, 大学院歯学研究院, 助手 (30284516)
本田 雅規 東京大学, 医科学研究所, 助手 (70361623)
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Keywords | 積層培養 / 吸収性足場 / 歯胚上皮細胞 |
Research Abstract |
17年度までにエナメル芽細胞の10継代までの培養に成功した.そこで,今年度は単層培養ではなく積層培養し,エナメル質の塊を作製する為の実験を行なった. 方法:生後6ヶ月の豚の下顎第3大臼歯歯胚を採取し,酵素処理によって上皮と間葉組織を分離した.上皮組織から歯胚上皮細胞を単離し,上皮細胞を1×105個/wellでPGAとPLAから調整した吸収性足場上に播種した.足場(7mm×7mm)を6穴ウェルプレートに四隅を熱で溶かし強固に固定した.4日後,Versene(GIBCO社製)にて,37℃,20分間にて吸収性足場を浸すことにより,問葉細胞を完全に取り除いた.先の操作を繰り返し行い10%牛胎児血清含有D-MEM培地にて約1ヶ月間歯胚上皮細胞の培養を行った.次に走査型電子顕微鏡(SEM)により吸収性足場上の細胞を観察した.試料表面に付着しているごみを取り除くため,PBSで軽く水洗を行った後に,2.5%グルタールアルデヒドで4℃,2時間固定を行った.固定液をPBSにて水洗し,2%四酸化オスミウムで試料を4℃,2時間後固定した.脱水操作として70%,80%,90%エタノールを4℃,30分間2回,95%エタノールを室温30分2回,100%エタノール60分2回行った.ブチルアルコールに浸漬し-40℃にて予備凍結させた後,凍結乾燥を行った.試料調製後SEMにて観察を行った. 結果:今回調整した吸収性足場に網目構造の確認はできなかった.また歯胚上皮細胞だと思われる細胞は直径約10μmの球状を呈し,個々の細胞が離れた状態で存在していた.生体での細胞サイズ(50-100μm)よりも小さく,細胞形態も異なることから,今回の試料調製によって細胞の形状が変わってしまった(アルコールによる脱水など)可能性が考えられる.また吸収性足場への細胞の接着が微弱であるように思われた.
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